第254話

「先生、俺…。

先生に会いたくて」



俺はバスタオルを床に置くと、

中山正子の腕を強く引き、

抱きしめた



その勢いで、

俺達はバランスを崩し、

床に座り込んだ





「柏木君?冗談でしょ?


私はそんなつもりで貴方を…」



中山正子は言葉を、

自ら途中で止めた



ゆっくりと、

俺を見上げる



その目は、女の目



俺がもっとも嫌う

汚らわしいもの

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