第189話

「咲ちゃん、帰るの?」



扉の近くに座っていた桜ちゃんに、

腕を捕まれ、


そう聞かれた





「うん。ユキには後で言ってて。

凄くしんどくなったから…、

私、風邪引いたみたいだから先帰るって」



私はユキに目を向けたが、

佐山さんとの会話に夢中になっていて、


私の事はまだ気付いていない



ユキだけじゃなく、

他の皆も、話したり歌ったり飲んだり夢中になっている



だから、私が居なくても…





「気をつけてね…」



桜ちゃんは心配そうに私を見ていたが、


私は一度彼女に微笑み、

そのまま部屋を出た

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