第46話

「退屈だから、

帰ろうかなって。


君は?」



俺が年下だと察したのか、女はくだけた口調で

話してくる





「俺は、ツレとちょっと喧嘩して…。

ムカついたから、

先に店から出て来たんだ」




「そうなんだ。

私も同じ感じかな。


友達と一緒に居たんだけど、

男二人にナンパされて。

その二人は、

友達目当てみたいで…。


私は邪魔みたいだから」



女は自嘲するように、

笑っていた



その男の気持ちも、

分からなくはないな



誰かの真似のような髪型に、

誰かの顔に似せたような化粧



それがこの女に似合っていればいいのだが、

違うな…



自分を見失っている感じが、

見ていて痛々しい…

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