第34話
「はい」
俺は、いたって普通に
電話に出た
『あぁ…。俺だけど、今大丈夫か?』
父親は俺の様子を伺うと言うより、
気を使っているように、
声に覇気がない
「大丈夫。
夕飯の用意していたけど」
俺は、台所に置かれている、
まな板を見た
不揃いな大きさの野菜が、まな板の上に乗っている
『そうか…。
じゃあ遅かったか…。
たまには、飯でも一緒にどうかと思ったんだが…』
父親はそう言ったが、
俺にしては、
遅くてタイミングが
良かったと思う
断る理由を考えなくていい
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