第2篇: 太陽の国(中編)

▢▢▢ 太陽信仰の地へ ▢▢▢


星辰(せいしん)の羅針盤が光を放ち始めた瞬間、タカミムスヒが慌ただしい声を上げた。「共鳴反応を検知!時空の鍵が反応してるよ!」


光輝が驚きながら手にした「時空の鍵」を確認すると、羅針盤の光が鍵に吸い込まれるように一体化していった。その後、周囲に強烈な閃光(せんこう)が走り、二人の視界が真っ白になった。


「これが……次元移動の力なのか?」光輝が呟(つぶや)く間もなく、彼らは光の中に吸い込まれていった。


やがて、眩(まばゆ)い日差しと黄金色に輝く大地が広がるその場所は、古代日本の聖地、伊勢神宮だった。眩(まばゆ)い日差しと黄金色に輝く大地が広がるその場所は、古代日本の聖地、伊勢神宮だった。


「ここは……?」詩織が目を凝らしながら呟(つぶや)く。


「見たことがない景色だが、ここが次の冒険の舞台だ。」光輝は手にした羅針盤を確認し、さらにその輝きが強まるのを見た。


タカミムスヒがすかさず解説を始めた。「周囲のデータを解析中……ここは古代の伊勢地方みたいだよ!そして、この羅針盤が示しているのは『火焔(かえん)の鏡』の在り処だね!」


二人は輝く太陽の光を浴びながら、次なる冒険の手がかりを求めて進み始めた。


▢▢▢ 太陽祭の巫女 ▢▢▢


しばらく歩くと、遠くから賑(にぎ)やかな音と人々の声が聞こえてきた。太陽祭の会場に近づくと、祭りの中心で祈りを捧げている巫女見習いの少女が目に入った。


「私の名前はヒビキ。あなたたちはどこから来たの?」


天真爛漫な笑顔で話しかけてきた彼女に、光輝と詩織は未来から来たことを隠しつつ、「旅人」として名乗った。


「火焔の鏡のことを知りたくてここに来たんだ。」光輝が正直に目的を話すと、ヒビキの表情が曇った。


「それは太陽祭の中心にある神聖な鏡……でも、最近不穏な気配が漂っていて、大祭が無事に行えるか分からないの。」


▢▢▢ 迫りくる危機 ▢▢▢


ヒビキの説明によると、最近、鏡を狙う者たちが現れ、祭りの神聖さを乱そうとしているという。その夜、光輝と詩織は村人たちと共に警戒を強める中で、影のような不審者の気配を感じ取った。


「これ、まずいかも……鏡が狙われている。」タカミムスヒが警告を発した。


「詩織、ヒビキと一緒に安全な場所に。」光輝は素早く指示を出し、不審者たちの跡を追い始めた。


その先で彼らが見たのは、黒装束の者たちが火焔の鏡を奪おうとする姿だった。光輝と詩織はタカミムスヒの支援を受けながら、その企みを阻止しようと動き出す。


▢▢▢ 鏡の力の目覚め ▢▢▢


黒装束の者たちとの対峙(たいじ)は激しいものとなった。火焔の鏡を守ろうとする光輝と詩織に対し、黒装束のリーダーが不敵な笑みを浮かべる。


「その鏡は我々のものだ。お前たちの手には余る代物だ!」


光輝は羅針盤を握りしめ、タカミムスヒに指示を仰いだ。「タカミムスヒ、鏡の力を使う方法はあるか?」


「解析中……少し待ってて!……できた!鏡を太陽光に当てて、その反射を敵に向けてみて!」


光輝が鏡を高く掲げると、太陽の光が鏡に反射し、強烈な光線となって黒装束たちを包み込んだ。彼らは怯(ひる)み、混乱の中で逃げ去った。


「うまくいったみたいね。」詩織が息を整えながら微笑む。


「火焔の鏡……これが持つ力のほんの一端なんだろうな。」光輝もその神秘に圧倒されながら言った。


▢▢▢ 鏡が映し出す未来 ▢▢▢


戦いが終わり、ヒビキが鏡を静かに見つめて言った。「この鏡は、ただの神器じゃない。未来も映し出すことができるって言われているわ。」


タカミムスヒが分析を続ける。「そうだね。この鏡は太陽の力を使って、過去と未来の映像を映し出す能力があるみたいだよ。」


光輝は鏡を見つめながら呟(つぶや)いた。「この鏡が示す未来……それが私たちの旅にどう関係するのか、もっと知る必要があるな。」


次なる謎を解き明かすため、光輝たちはさらに深く鏡の秘密に迫ることを決意する。


▢▢▢ 次回予告 ▢▢▢


火焔の鏡に隠された秘密とは?太陽祭を巡る争いと鏡の力を体験する中で、光輝たちは新たな真実に気づいていく――次回、太陽の輝きが新たな道を照らす!


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