第5話 恋愛感情
男女平等と言われるが、実際に、そうなのだろうか?
確かに、言い方を変えたり、冤罪の問題があるが、それでも今は、そんな男女平等が、正しいのかどうか、難しいところであろう。
特に冤罪として、
「痴漢問題」
というのも孕んでくる。
電車の中で、
「この人痴漢」
などと叫ばれると、名指しされて、手を挙げられでもすれば、どうしようもなくなってしまう。
女性は、何も言わずに震えているだろうし、捕まえた方は、
「まるで正義のヒーロー気取りであろう」
しかし、捕まった方は、どうなるというのか?
もちろん、本当に触っていたのだとすれば、許せないということなるだろうが、実際には、そんなこともなく、
「ただ、手が触れただけ」
ということもあるだろう。
「俺はやってない」
と言ったところで、言い訳にしか聞こえない。
そのまま警察に突き出されれば、いくら言い訳をしても、警察がいうのは、
「早く白状して、楽になった方がいいぞ」
と言われれば、本当はやってなくとも、
「楽になりたい」
ということで白状してしまうかも知れない。
しかし、下手をすれば、いや、捕まった時点で、社会的には、
「そこで終わり」
といってもいいだろう。
「会社も家庭も終わりだ」
ということに変わりはない。
というのは、
「捕まった時点で、誰かが知ることになる」
ということだからだ。
というのは、
「もし、そこで無罪が証明されない限り、警察から帰される時、必ず誰かが身元引受人ということになり、誰かが迎えに来なければいけないということになれば、
「会社か、家族」
のどちらかでなければいけないだろう。
さすがに、
「ただの友達」
というわけにはいかない。
普通は、
「家族か、会社の人」
という人でなければ、身元引受人ということにはならないからだ。
それを考えれば、警察に現行犯で捕まった時点で、アウトだということになるだろう。
しかし、この場合は警察に捕まる場合であるが、下手をすると、もっとひどい場合があるかも知れない。
というのは、この場合こそ、
「オンナ」
ということで、立場が強いという場合のことで、、もし、痴漢ということで、取り押さえられたとして。その男が警察に連れていこうとしなかった場合は、怖い可能性がある。 というのは、駅の裏の誰にも見られないようなところに連れていかれるだろう。
最初は、
「自分のことを考えて。まわりに見られないようにしているのではないか?」
と思ったとすれば、それは、とんでもない見当違いというものである。
というのは、相手が考えていることというのは、
「こいつを脅して、金を取ろう」
という考えだからである。
要するに、
「被害者の女と、捕まえた男がグルという場合」
のことである。
つまりは、
「美人局」
というものだ。
普通の美人局というと、
「街の中で、女が立ちんぼと言われるような仕事をしているところであれば、そんなところに行けば、女が男に声を掛けてくる」
というものである。
「今晩いくらで」
という交渉が始まるわけで、成立すれば、ホテルなどに連れ込むということなのだが、その時、女はあたかも、男のことをおだてたりして、見せかけの恋愛感情のようなものを見せて、男を気持ちよくさせたところで、誘い込むというわけだ。
確かに、男は、おだてられたり、言い寄られれば気持ちがいいものだ。たとえ、
「金目的だ」
ということが分かっても、
「こっちだって、どうせ金で誘っているのだから、同じことだ」
と思うので
「金で時間と女を買う」
と思えば、ウソでもいいと思うことだろう。
そもそも、そういうゲームを楽しみたいと思う男だっているわけで、
「決まった時間の恋人を金で買うだけのことである」
しかも、その時、バックには男がついていて、男は男で、
「女が誘う相手を最初から調べておいて。狙いを定める」
ということをするわけで、誘われた男は、おだてに乗ってついてくるだろう。
毎日の仕事が忙しかったりすると、たまに、こういう遊びをしてみたくなるというのが男というものではないだろうか。
それを考えると、男も簡単に引っかかるというものだ。
もちろん、女についている男が目をつけるのは、
「金を持っていて、それなりに立場がある人」
ということで、
「どこかの会社の重役や、部長クラス。さらには、芸能人や芸人という、露出があり、名前が売れていれば恰好のマスゴミの餌食というわけだ」
つまり、誘い込まれたホテルの一室で、
「さあ、これから」
という時に、いきなり男が飛び込んでくる。
「俺のオンナに何するだ」
とばかりにである。
女は、怯えてしまうという芝居に入り、被害者に縋り付いたりする。
すると、男が逆上し、
「お前は俺のオンナの不倫相手か?」
ということになり、
「いえ、違います」
といって、その後に、
「オンナから誘ってきた」
などというと、相手の男が怒り狂う口実を与えてしまったことになるだろう。
「お前は、俺のオンナをそんな風に言って侮辱するのか?」
ということで、完全に修羅場である。
そうなると、相手の男は次第に冷静さを取り戻すと、怯えていた女も冷静になり、
「この人何するか分からない」
などとこっそりといって、逆らってはいけないというだろう。
男の方は冷静になると、
「じゃあ、金で解決するか?」
ということになり、被害者も、
「金で解決することなら」
ということで。最初は少し少なめの金を要求するということで、少し楽な気がしてくるので、金を渡してしまうと、それが命取りということになるのだ。
金を渡してしまうと、相手は、
「じゃあ、また今度な」
ということになる。
そして、次第に要求してくる金がどんどん増えてくるということになり、泥沼に入り込むということになるだろう。
被害者からすれば、もうどうしよもないのだ。
まず、男の立場からすれば、
「寝取られた」
ということで、ホテルで見つかった時点でアウトだ。
もちろん、その時にカメラで写真も取られている。
何といっても、ホテルで裸になっている写真で、その横には裸の女が写っている時点で、圧倒的に不利である。
しかも、その後に。
「脅迫された」
とはいえ。金を渡しているということは、
「罪を認めた」
ということで、言い訳はできない。
もし、男のバックに、どこかの組織でもいれば、それこそ、大変だ。
しかし、問題はここからである。
場合によっては、途中で大どんでん返しが起こるということがあるだろう。
というのは、
「もし、その相手の美人局に、バックがいなかったら?」
ということである。
自分たちが単独でやっていることであれば、大きな落とし穴がある」
ということになるだろう。
まず男とすれば、
「被害者になる男は、金を持っていて。マスコミや世間にバレるとまずい」
ということで、
「簡単に金を出すだろう」
と考えている場合である。
確かに、お金があって、立場もある人間であれば、簡単に金は出すが、あくまでも、美人局がそこまでしか考えていないとすれば、
「あまりにも浅はかだ」
といえるのではないだろうか?
これは、一度テレビドラマで見た話であるが、確かに美人局の計画は、ある程度は、うまくいくに違いない。
しかし、最後の詰めが甘いといえるのではないだろうか?
というのは、
「男には、肝心なことが分かっていない」
ということであり、それは、
「逆転の発想ができない」
ということである。
というのは、男は、
「相手が金を出す」
というところまでは計算しているだろう。
しかし、男とすれば、
「金を出す」
ということにだけ考えをめぐらせているのであれば、浅はかだということになるのだ。
なぜなら。
「金を出す理由」
というのが分かっていない。
それは。
「自分の人気や立場が揺るぐくらいであれば、金を払った方がいい」
ということで、
「金よりも何よりも、名誉や立場というものが大切」
ということになるのだ。
つまり、男とすれば、
「金はいくらかかっても構わないから、立場や名誉を守りたい」
と考えるだろう。
「金はいくらでも貯めることはできるが、それも、名誉と立場があってからのことであり、その二つがなくなると、金はまったく手に入らない」
ということになるだろう。
そうなると、被害者は、相手に対して、
「これ以上黙って金を渡すことなどない」
と思うだろう。
もし、一度だけで相手も終わっておけば、
「ひどい目に遭わずに済むのに」
ということである。
というのは、
「芸能人であったりすれば、事務所というものがあるわけで、芸能事務所などで大きいところであれば、芸能人のスキャンダルというものを解決する、
「影の組織」
というのが存在し、
「金さえ出せば、秘密裡に問題を解決してくれる」
ということであれば、立場は完全に逆転する。
美人局の連中は、完全に忘れてしまっているということになるのだが、それはどういうことなのかというと、
「被害者には、守るべきものがあり、そして、金もある」
ということである。
そうなると、必死になって、守ろうとすると金がいるというわけで、
「このままだと、死ぬまでしゃぶりつかれる」
と考えると。
「金で解決するなら?」
ということを、もう一度考えるだけだった。
ひょっとすると、被害者も、最初から冷静になっていて、
「変な女に手を出してしまったのは俺が悪いんだから、最初に金を渡す額が少なければ、渡してみて、様子を見ようと思ったとしても、無理もない」
ということである。
しかし、相手が、どんどん金を要求してくると思うと、その時は、
「片付けてもらおう」
ということで、その時に、また金を積めばいい」
ということになるのだ。
実際に被害者は、
「事務所を通してになるか、自分で頼むことになるのか」
ということは別にして。実際に、闇の組織に委ねれば、
「まったく裏で動いてくれる」
ということになり、やつらを、
「二度とこんなことができないようにする」
というくらいのことになるだろう。
結局、
「お互いに痛み分け」
ということかも知れないが、美人局は、
「もうこれで終わり」
ということになるだろう。
元をただせば。自分が悪いのだが、最後には、組織の力ということで、美人局はできなくなる。
そういう意味で、
「美人局」
というのは、すでに時代遅れであり、この時のようなリスクがあることから、
「バックに組織を持った連中が、美人局のような、そんな特にならないようなことをすることはないだろう」
といえるのではないだろうか?
だが、これはあくまでも、
「最初に引っかかった方が悪い」
ということであり、
「オンナという武器を使えば、いくらでも、金を脅し取れる」
という甘い考えを美人局が持ったことで、起こった悲劇ともいえるだろう。
今の時代に、実際に
「美人局」
などというものが存在するかどうか?
ということは分かるものではない。
何といっても、美人局というのは、
「男女平等」
という前の時代の方があり得ることなのか、それとも、
「今の時代の男女平等」
という時代の方が、あり得るのか、何とも言えない発想だといえるのではないだろうか?
それを考えると、
「男女平等というものが、本当に冤罪を生むか生まないか?」
あるいは、
「美人局」
というものをなくすことができるのかどうか。正直分からないのではないだろうか?
男女の付き合いというのは、以前から言われていることとして、
「どのような恋愛感情を持つのか?」
ということで変わる気がしてきた。
こういう犯罪はまた別問題ということで、昭和の時代にまではなかったことだが、平成になって言われるようになったものとして、一つ衝撃的だったというのは、
「成田離婚」
という言葉であった。
さすがに、平成になった頃、
「新婚初夜」
で、
「紳士淑女だった」
などというのは、普通ではありえないだろう。
「童貞と処女」
ということであるが、
「それこそ、どうしていいのか分からない」
ということになる。
昔であれば、
「新婚旅行などというものもない」
という時代であれば、屋敷で、
「そういう行為を教える指南役が、男にも女にもついていた」
ということであろう。
もちろん、江戸時代以前のことであり、庶民であれば、そうもいかないのでどうしていたのかは分からないが、武家のそれなりの家では、そういうことになるだろう。
明治になって新婚旅行というのができてきた。
そもそも、最初の新婚旅行は、
「坂本龍馬とお龍だという話がある」
というくらいだ。
新婚初夜と言われるのは、時代的には、
「大日本帝国時代」
くらいではないだろうか。
高貴な家柄でもない限り、庶民であれば、
「もはや戦後ではない」
と言われる時代くらいからであれば、
「婚前交渉くらいはあっても不思議ではない」
ということになるであろう。
だから、
「初体験でもないのに、新婚旅行でなぜ別れるということになるのか?」
ということであるが、
「婚前旅行があればこその成田離婚」
といえるのではないだろうか?
というのは、
「結婚前には見えていなかったことが、結婚してしまうと、見えてくる」
ということである。
付き合っている間は、
「あばたもえくぼ」
とでも言おうか、
「いい面しか見えていないから、実際に結婚してから一緒にいると、それまで信じていたことが、
「あれ? こんなはずでは?」
と考えるようになるのだ。
それが、新婚旅行から帰ってくると、完全に気持ちは冷めている。そんな状態で、
「これから、この人と一緒に暮らすのか?」
と思うと、すでにうんざりするという気持ちにお互いがなっているのだ。
それを、
「相手もそう思っている」
と感じているのかも知れない。
そうでもなければ、新婚旅行から帰ってすぐに、
「離婚しよう」
などということにはならないだろう。
普通であれば、結婚すると決まってからの日々であったり、結婚式の時のことが頭をよぎり、
「媒酌人に何といえばいいのか?」
ということになるだろう。
それよりも何よりも、
「戸籍が汚れる」
と考えるのではないだろうか?
今でこそ、
「離婚の数が半端ない」
と言われる時期であったり、
「バツイチなんて、珍しくない」
あるいは。
「バツイチの方がモテる」
などと言われる時代であれば、まだ気になることもないかも知れないが、
「成田離婚」
などと言われていた時代は、まだまだ離婚というものに抵抗があった時代だったといってもいいだろう。
それを考えると、離婚に踏み切るには勇気がいるはずだ。
しかし、逆に勇気というものは、一度覚悟を決めれば、何とかなるものだ。
しかも、お互いに、
「一緒にいるのがいやだ」
と考えれば、少なくとも、意見は一致したわけだ。
このまま、新居に帰っても、それまで思っていた、
「甘い新婚気分」
というものはすでに瓦解していて、
「それでも、まわりの手前、偽り続けなければいけないということがどういうことなのか?」
ということを考えてと、
「実にたまったものではない」
といえるだろう。
これはあくまで、
「成田離婚」
のような、
「早期離婚」
ということであるが、数年一緒に暮らしてから、離婚ということになった時の男女の気持ちというのは、また少し違ってくるというものである。
新婚時代というのは、
「自分は、相手の気持ちを何でも分かっていて、相手に気を遣うように寄り添っている」
ということを考えていることだろう。
「もちろん、相手も同じことを考えている」
と思っているはずである。
つまりは、結婚するということは、
「気を遣いあって暮らしていくこと」
と思っているはずだ。
しかし、それも、新婚のどこかまでということになるのではないだろうか?
「相手に気を遣う」
ということが億劫になってきたり、
「相手が自分に気を遣っていない」
ということを明確に感じることができなくなってきたりすると、
「もう新婚ではないんだ」
と思うことだろう。
しかし逆に、
「新婚ではない」
と明確に感じることはなくとも、
「新婚ではなくなってしまっていた」
と後から感じるということがあるかも知れない。
「どちらの方が多いというのか?」
それは正直分からないが、どちらも、一定数はいるであろう。
しかし、
「できるなら、明確な方がいいかも知れない」
と感じる。
やはり、結婚している相手とは、
「訳が分からないうちにそうなっていた」
というのは嫌なのではないか?
と思うことだろう。
というのは、それだけ、
「結婚して家族になったとはいえ、元々は他人だ」
ということになるからだろう。
そして、結婚してから、明らかに変わるのは、
「子供ができた時」
といえるであろう。
新婚当初は、最初から、
「子供がほしい」
と思っている夫婦と、
「最初はいらない」
と思っている夫婦がいるだろう。
「子供がほしい」
と感じている夫婦は、
「お互いに子供がほしいと思っていないと、明確に子供がほしいということはないのではないだろうか」
そして、
「どちらかでも、子供はほしくない」
と思っていれば、
「まだ子供はいい」
と感じることだろう。
なぜなら、子供を作るというのは、
「夫婦が協力しないとできない」
ということだ。
どちらかが、
「ほしくない」
ということで、避妊をすれば、子度ができるということはないからだ。
さらに、
「子供がほしい」
と思って子作りに励んだとしても、
「絶対にできるとは限らない」
ということが言えるからである。
つまりは、
「子供を持つことができる確率は、子供がほしいという気持ちと、授かる確率とを掛け合わせる必要がある」
ということである。
それだけ、授かる可能性が低い中で授かったのだから、子供が生まれると、夫婦それぞれに嬉しく思うことだろう。
中には、
「奥さんが子供がほしいということだから」
ということで、
「しょうがない」
ということで子作りに協力する旦那もいるだろうが、それでも、自分の子供を見た時、子煩悩になったという人もたくさんいる。それほど、
「子はかすがい」
と言われるが、
「まさにその通りだ」
ということになるだろう。
ただ、子供というのは、
「かわいい」
というだけで育てられるものではない。
奥さんは、特に大変で、今でこそ、
「旦那が子育てに協力するのは当たり前」
という時代になっては来たが、それまでは、ほとんど、旦那は、子育てに関心を示さないというのが当たり前だった。
それは、
「バブルが弾けた」
ということで、旦那の稼ぎだけではどうにもならない状態で、共稼ぎというのが当たり前という時代になってくると、
「夫婦が一緒に暮らす」
ということがどういうことなのか?
ということを改めて、思い知らされるような気になってくるのであった。
もっといえば、
「お互いに気持ちの距離が出てくる」
ということであり、
「お互いの立場が明確に変わってきた」
といってもいいかも知れない。
というのも、
「これまでは、お互いに、相手が何を考えているか?」
ということが分かった気がしていたということである。
しかし、子供ができると、少なくとも、奥さんは、子供にかかりきりになり、どうしても旦那がおろそかになる。
そして、旦那とすれば、奥さんが自分の方を見ていないということに気づくようになるのだが、それを今までは、
「しょうがない」
と思えたはずなのに、そう思えなくなるというのも、しょうがないところであろうか。
つまり、
「男と女」
というよりも、
「父親と母親」
になってしまったということだ。
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