第6話:明日香ちゃんが下界に降りてきた理由。

さて辰也のマンションに転がり込んだ天女ちゃん。

毎日、ごろごろしてテレビばかり見ている。


「なんかさ・・・明日香ちゃん飯とか作れないの?」


「作れない〜」


「え〜、じゃ〜なにができるの?」


「セックス・・・エッチ・・・ラブラブ・・・性交・・・交尾・・・営み」

「どれでも・・・」


「どれも同じじゃないかよ」

「あのさ君って天界でそういうことする場所にいたりしたの?」


「なんで?」


「なんだかさ、そんな着物着て、髪なんか結って吉原のおネエさんみたいじゃん」


「なに言ってんのか分かんない・・・私の知らないこと言わないの」


「だから、そんな格好してるから遊廓とかそう言うところで働いてたのか

なって思って、だからセックスが得意なんだろ?」


「当たってる・・・私は沙羅宮しゃらんきゅうって遊郭にいたの」

「ん〜まあ天界も階層によるけど基本、酒池肉林な世界だからね」

「性行為なんて普通でしょ」


「俺もお願いしたら、させてくれるのかな?」


「お願いってなに?・・・夫婦なんだからエッチとか普通にするでしょ?」


「ああ・・・まあたしかにね・・・」


「だから今夜から毎晩エッチね」


「毎晩?・・・毎晩はやりすぎじゃないか?」


「なに言ってるの、ご飯だって朝昼晩、毎日食べるでしょ・・・同じだよ」


「そう言われると・・まあ理屈だけど・・・」

「それはそうと明日香ちゃんて何歳?」


「二十歳・・・」


「まじで?」


「見えないって言うんでしょ・・・老けて見えるって?」


「老けるって、そういう意味じゃなくて、めちゃ妖艶って言うかエロいって言うか・・・そう見えるなって・・・」


「エロいってなに?」


「あのさ・・・そんなに簡単に男に体許していいの?」


「夫婦だって言ったじゃん・・・まったく知らない男となんかエッチしないよ」

「そう言う時は、お金取るからね」


「金くれたら他人でもエッチするのか?まああっさり言うね」


「世の中そんなもんでしょ?」

「人間と天女だってそんなもんでしょ?」

「ねえ、ねえ、私ずっと辰也君ちにいていいよね」


「いいに決まってるじゃん・・・なに?今更、自分で押しかけて来といて」


「そうなんだけど・・・実は誰にも言ってないし、誰も知らないことなんだけど」

「私、本当は天界から逃げてきたの・・・」


「え・・・・・・」


「だから〜逃げて来たの?」


「どういうことそれ?」


「話せば長いことながら・・・短めにはしょっちゃうけどぉ」

「私ね、宴会用の料理の中から生牡蠣つまみ食いしちゃったの」

「だけど私が生牡蠣食べてるとこ厨房の料理人に見つかっちゃって」


「罪に問われる羽目になっちゃったんだけど、その上の人の中に私のお尻を

追いかけてるエロいおじさんがいたのよ。


その人「白翔李天はくしょうりてん」って人でめちゃ権力がある人で

武術にも長けてる武将なの・・・」

その「白翔李天はくしょうりてん」さんの鶴の一声で私は無罪放免。


でも私を無罪放免にしたことで「白翔李天はくしょうりてん」さん調子に

乗っちゃって私を無理やり自分の女にしようとしたの。


ウザいし、鬱陶うっとおしいのよ。


たしかにお世話にはなったけど、それを条件に私に迫ってくるなんて姑息で卑怯

じゃない?。


しかも「白翔李天はくしょうりてん」さんって、女にだらしないんだって。

で、毎晩のように紗蘭宮しゃらんきゅうにやって来て私を口説くの。


「だから下界に逃げちゃおうと思って・・・」


「私が下界に逃げたから結局、私がその人をフった形になったんだけど・・・

その人は私のことまだ諦めてないと思うの・・・」


「もしかしたら私を探していつか下界に降りて来るかも・・・」


「それがね、私が下界に降りてきたほんとの理由なの」

「逃げてきたの、「白翔李天はくしょうりてん」ってエロ親父から」


なるほど・・・それならなおさら俺のところにいたほうがいいじゃん。


「うん・・・お世話になるんだからエッチ好きなだけさせてあげるね」


つづく。

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