もう一度あなたと
マオマオ
第1話 突然の別れ
「別れよう。」
「え?」
今日は、付き合って一年の記念日。
朝から初デートで行った水族館に行って、夜は有名なホテルでディナーを食べて。
「実は、部屋取ってる。」
なんて言われて、入った部屋は夜景が見えるスイートルーム。
確かに、さっきまでそこで抱き合っていたし、首元には、ついさっきプレゼントして貰ったダイヤのついたネックレスが光って居る。
はずなのに、突然別れを告げられた私の頭は、パニックを起こしていた。
「冗談だよね?」
「冗談でこんな事、言わないだろ。」
はっ、と笑われながら吐きだされた言葉。
意味がわからない。分からないのに、どこか冷静な自分がいた。
「理由は?」
「飽きた。倦怠期ってやつ?」
「どうして、朝からデートしてこんな部屋取って…ネックレスまで。」
「あー、お前と相性良かったし。なかなか切れなかったってのもあって、せめてもの気持ち。」
その言葉に何か言い返そうとしたけれど、めんどくさそうに私を見つめる彼を見て、開きかけた口を閉じた。
「そう。分かった。」
なんとか絞り出した言葉。震える手をなんとか動かし、散らばった服を急いで身に付け、携帯をバックの中に入れた。
「これは、いらない。」
さっき貰ったばかりのネックレスと水族館で購入したツーショットの写真をテーブルの上に置いた。
「さようなら。」
そう告げて私は、スイートルームを出た。
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