第2話

ある静かな湖のほとりに、小さな村がありました。村は自然に囲まれ、四季折々の美しい風景が広がっています。春になると、桜の花が咲き誇り、夏には緑が生い茂り、秋には紅葉が楽しめ、冬は静寂に包まれた雪景色が広がります。しかし、何よりもこの村の魅力は、湖の美しさでした。湖は透き通った青色をしており、まるで宝石のように輝いていました。


村には、エミという名の少女が住んでいました。彼女は湖が大好きで、毎日のようにその水辺に座って、魚が泳ぐ様子を見たり、水面に映る空の雲を眺めたりしていました。エミは湖の神秘に魅了されており、時折、湖の底に何があるのかを夢見ていました。


ある日、エミはいつもと違うことに気づきました。湖の水面がきらきらと輝き、彼女を呼ぶように見えたのです。好奇心に駆られたエミは、足を水に浸し、少しずつ湖の中に入っていきました。水は冷たく、心地よい感触でした。しかし、彼が女湖の奥に進むにつれて、不思議なことが起こり始めました。


湖の底に、きらびやかな光を放つ石がたくさんあるのを見つけたのです。まるで星々が水の中に沈んでいるかのようでした。エミはその光に魅了され、ひとつの石を手に取りました。すると、驚くべきことに、彼女はその瞬間、水の中に吸い込まれるような感覚を覚えました。


泳ぐように水の中へと引き込まれていくと、エミは信じられない光景に出会いました。湖の底には、美しい水中の世界が広がっていました。色とりどりの魚たちが泳ぎ回り、珊瑚のような植物が優雅に揺れていました。エミはその光景に心を奪われ、思わず笑顔がこぼれました。彼女はこの新しい世界を探検することに決めました。


水の中を進むにつれて、エミは不思議な生き物たちに出会いました。小さな人魚たちが彼女の周りを泳ぎ、彼女と一緒に遊びたがっているようでした。人魚たちは優しい声で「こんにちは、エミ!私たちと一緒に遊びましょう!」と誘ってくれました。エミは嬉しくなり、一緒に泳ぎ始めました。


彼女は人魚たちとともに、宝物の山を見つけたり、海藻の森を駆け回ったりしました。水の中の時間は、地上とは異なり、ゆっくりと流れていくように感じました。エミは自分がこの世界に溶け込んでいくのを感じ、心から幸せでした。


しかし、次第に彼女は自分が現実の世界と遠く離れていることに気づきました。村の人々が心配しているのではないか、そんな思いがふと胸をよぎります。エミは人魚たちに別れを告げ、湖の表面へと戻ることにしました。


水面に浮かぶと、彼女は息を大きく吸い込み、心地よい風を感じました。周囲は静まり返り、湖はいつも通り美しい姿を保っていました。エミは振り返り、水の中の不思議な世界を思い出しました。それは夢のようなひとときでしたが、彼女はその経験を心に刻むことを決めました。


その日から、エミは毎日湖を訪れるようになりました。水の中の冒険を思い出しながら、彼女はさらに湖の美しさを愛するようになりました。時には、人魚たちが再び現れることを願いながら、湖の水面に映る星空を見上げていました。


月明かりの夜、エミは再び湖に足を浸しました。水の中で、彼女は静かに目を閉じ、深呼吸をしました。心の中で、あの人魚たちや水中の世界とつながっていることを感じました。彼女はゆっくりと水に沈み、夢の中で再びその美しい世界に飛び込むことを願いました。


エミの心は、湖の水のように穏やかで澄んでいました。彼女はそのまま意識を手放し、静かな眠りに落ちていきました。水に沈むような感覚の中、彼女は夢の中で再び冒険を続けるのでした。湖の底に広がる不思議な世界へ、彼女の心はいつまでも旅をしているのです。


そして、エミは夢の中で、いつまでも水の中で遊び続けるのでした。

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