第2話 夢遊病

これは...

目を疑った。何も覚えていない。

ここ2~3日、確かに食欲はなかった。

これだもの。そりゃ無いよ。

自分にツッコミ入れつつ、同時に不気味さが残った。


病院行こうかな...


医者にハンディカメラの映像を見せれば一発で夢遊病と認定されるだろう。さっさと解決して次に進もう。


ハンディカメラを持って病院へ行き、医者の診断を受ける。


夢遊病です。


でしょうね。

それ以外に何かあったら聞きたいわ。


何か最近強いストレスなどありませんでしたか?


ストレス社会においてストレスが無い生活など送れるはずがなく、それは一体どの程度のストレスなのかと聞いた。


例えば動悸がする、目眩がするなど。


ウ~ム、いつもである。それを考えてしまったら仕事など出来ないと答えた。


ではお薬お出ししますので。


とりあえず睡眠薬とストレス緩和の薬をもらい家に帰る。いつも通り過ごし睡眠薬飲んで床に付く。


明くる日。

布団がぬるぬるして気持ち悪くなって起きる。食べかすだ。冷蔵庫は再び荒らされている。薬の効果もなく、私は暫く呆然とした。

なんの記憶もない。それが一番の恐怖だ。自宅の冷蔵庫を荒らす分には良い。もし仮にこれが他の家で起こっていたら大変なことだ。鍵を閉めていても不安だ。知らぬ間に鍵を開け外に出て他の家に上がり込み冷蔵庫を荒らしていたらと思うとゾッとする。

何にせよ、家の冷蔵庫に食糧は入れておかなければならないと思い、買い出しに行く事にした。

生でもそのまま食べられるものが良い。魚肉ソーセージ等は常備しておいた方が良さそうだ。

買い出しを終わらせ、次はキッチンへ。何を食べても良いが、下手なものを食べて腹痛でも起こしたらたまったものではない。きちんと食べれる状態に加工して保存しておいた方が良いだろう。汁気の多い煮浸しなどは汁気を限界まで絞る。脂分の多いものは湯がいてなるべく脂分を減らしておく。まったく一体何をしておるのだと思いながら、思い付く限りの調理を施して冷蔵庫へ入れた。

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