転生門

チーム『天下五剣』を打ちのめした10英傑3名は、とある場所へと向かっていた。

情報を得た者が必ず訪れる場所。

転生者が溢れかえるこの世の中を作り出す転生門、そのである。

つまりは偽物ハリボテ──といっても、一応の役割はあるので壊された場合、多少は転生頻度が下がると言われている。

これを作り出したのは初代の10英傑であり創設者、英雄ロードと神人クリスの2人であるが、どちらもこの世界には居ないと言われている。

生死は不明だが、過去の人魔大戦以降、消息が掴めていない。

加えて言えば、本物の転生門の位置を知るのもその2人でしかない為、偽物ハリボテを壊された場合は現在の10英傑も詰むのである。

転生者数は減少していき、いつかは魔族の時代が訪れてしまう。

それは由々しき自体、もってのほか、転生者の恥、10英傑の瓦解となる。

今の地位を守り、人々に崇拝をしてもらうには、体を張ってでも偽物を守る必要がある。


だがこの時代、ここに来て、撒き餌に食い付く件数が増加している。

報告にあるような魔族チームの襲来が後を絶たない。

レベル的に問題は無いが、数が多いのは厄介。

大物の襲来に備える必要性はあるものの、10英傑も仲良し小好しではない。

全員が誰かの失墜を狙い、地位の保全に執着している。

大賢者ウリュウは第五位。

第七位の雷魔人ゴードンと第八位の聖騎士エリザに対しても気は抜けないのである。



「──にしても、本当にアルガスを倒したのは奴らだったのか?」


「情報に間違いはないわ。もしかしたら、神級のアイテムを使っていたのかも」


「どちらにせよ、槍使いアルガスは第十位、私達とは比べる必要もない」


「だな」


「確かに」


「近隣の残存勢力は私と第六位で対処しよう。5程度動作もない」


「…本部は?」


「第四位と第九位が警備している」


「もしかして上位はいつもの?」


「ああバカンスだとさ」



第一位・第二位・第三位は、この地域を離れ休暇を満喫している。

10英傑の上位者ともなれば、仕事は殆どない。

気楽な生活の毎日。

されど強者であるが為に誰も逆らえない。



「お前達も気を抜くなよ」


「もう猛者はいないだろ?」


「ふっ…まぁな」



雷魔人ゴードン・聖騎士エリザの2人は、チーム『天下五剣』に大技を連発した。

第十位槍使いアルガスを倒したとされる魔族チームに手を抜ける筈がない。

先程のスキルは11しか使えない。

連発はできない。

今日、転生門に近づく敵はいない。

警備も必要はない。

気力を回復すべく、注意を怠ったこと──これが彼らを襲う予期せぬ事態とは夢にも思わない。

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