第6話 パーティー名 天下五剣

転生者がこの世界に現れはじめてから数十年、毎年のように、異世界人は顕現し続け、今やこの大地は勇者や賢者で溢れ返り、転生者飽和状態。

しかもほとんどの転生者がレベル100。

当初、数で勝っていた魔族もあっという間に狩り尽くされ、現在は北の天空魔族国、西の大海魔族国、東の僻地魔族国、そして南の魔族国エルドラドのみである。


この窮地を脱するべく、魔国エルドラドの王、魔人グアドルは非常事態宣言を発令。

冒険者を選抜したのは、人間に奪われた土地を奪還、転生者の討伐、他国との連絡網開通などを行うため。

彼らに国の未来、ひいては世界の未来を託したのだった。



「諸君、おめでとう。選抜試験合格者は、これから指定した者達とパーティーを組み冒険に出てもらう。見事、依頼クエストをクリアした者達には国の褒美を与えよう」



さっちゃん、ムン、ロザリー、ラー様、キリちゃんの5人は集められる。



「君達のパーティー名は『天下五剣』だ」



リーダーはさっちゃんとなる。



「最後に転生者について伝える。彼らは殺しても本当の意味では死なない。元の世界に戻り、赤子となって生を受ける。不慮の事故だけでなく、老衰でも願えば転生者となれるようだ。つまり、転生者の完全なる討伐は無理かもしれない。だが解決の糸口はきっとあるはずだ。それを見つけることができれば世界は元に戻る、昔のように我々が自由に闊歩することができるようになるはずなのだ。頼む。世界を救ってくれ」





無理難題の彼女たちの冒険が今始まる。 





【第一章へ続く】

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