ゲームと現実の境界線が消滅した世界にて少女は立ち向かう

ハクアイル

第一部 ゲームとリアル

Prologue《上》

 広く高い碧空へきくうの下。


 広大に広がる大森林に囲まれ、西欧風の銀灰色ぎんかいしょくの城が佇んでいる。


 その城の一室、赤い絨毯が敷き詰められた大広間では、円卓のテーブルを囲み、男女数人がそれぞれ飲み物を喉に流しながら話をしていた。


「このゲームがリリースされて二年が経つが、日本のプレイヤーの何人が俺達のランクまで辿り着いた?」

「数えるくらいしかいない……。世界では知らない……」

「そもそもですがぁ、これをただのゲームだと思ってる人ばかりなのですよね〜……」

「気付かねーだろ普通? このゲームの出だしなんてクソだぜクソッ!!」

「そうニャ……レベリング特殊だからニャァ……。私も最初は『何だニャンだこれ!?』て思ったニャ!」


「相変わらずネコなのですねぇ〜」

「ニャァ〜♪」


「てめぇ! そのネコ喋りやめやがれ! うぜぇ!!」

「はぁ!? ニャに言ってんだニャ! そういう種族ニャ!!」「何だとテメェ!」

 

「やめろバカ馴染み!」


 

「バカって言う奴がバカなんですぅー!」

「バカって言う奴がバカなんだニャぁー!」


 

「──お前ら仲良しかッ!!」


 

「──はぁ……。で? ここに集まった理由は何ですの?」

「ああ、そうだった。現実リアルで猛威を振るってる犯罪者がいるらしい。ランクは分からんが……」

「またかよ……! これだから俺達の仕事が絶えねーんだよ!」

「本当ニャァ……」


「私達が知らない、ということは……そんなに強くない……」

「炎使いで殺人や強盗をして最後は燃やしてるらしい。強い強くないじゃなく、ノーマルの人間からしたら脅威でしかない」


「放火殺人かよぉ……。じゃあさっさと片付けるか?」

「そうしたいのだが、居場所をくらませている。恐らく警戒しているのだろうな……」

「じゃあ見つけ次第処分ニャ!」

「そうですわね……。これ以上このゲームから犯罪者を出さないためにも……」


「まぁこのゲームは、ゲームの領域から外れてるからねぇ……ニャァ」

「テメェ! やっぱ普通に喋れるんじゃねーかーー!!」


 城に大声が響き渡った。


「はぁ……バカどもが……。(だが、犯罪者が増えれば俺達だけでは対応できなくなるかもしれないな、この領域外のゲーム、、、、、、、Magical worldマジカルワールド】は普通じゃないのだから……。──早く新たな使い手が誕生して欲しいものだ……)」



 ────※────※────※────※────


 お読み頂きありがとうございます♪

 話が大きく動き始めるまでゆっくりとなりますが、お付き合い頂けたらと思います。

 

 この作品は、2025年の【電撃大賞】のために書き始めていたものになります。

 結局のところ、間に合わなかったのですが(^^;)


 また、個々の心情を大切に書いた作品になります。

 一人ひとり、生きる人間として書いた作品です。

 

 過去があり、思いがあり、信念があります。

 迷いがあり、葛藤があり、運命に巻き込まれます。


 SF/ファンタジー/現代・SF異世界などが混ざり合います。


 彼女、彼らの世界を見届けてもらえたら光栄です。


 


 


 

 


 


 

 


 

 

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