最初のお嫁さん

縞間かおる

 私はバカだから……高校を卒業する事も出来なかったし、仕事も何も……長続きしなかった。唯一長続きしたのはJKの頃からやってた援交で……アイツに拾われるまではそれでどうにか糊口をしのいでいた。


 アイツは元々援交の“お客”で……『ボンキュッボンでも無いし取り立てて美人でも無い。エッチの回数は……まあ、こなしはしたけど“ウマヘタ”なんて分かんない』なんて私の事をヘビロテってくらい“リピート”してくれて……とうとうアイツに“囲われる”事になった。


 アイツの名前は西崎雄二、ギラっとしたイケメンだけど如才なく、若くしてどこかのお屋敷の執事らしい。

 仕事柄、お屋敷に泊まり込む事も多々あるので、私は小ぎれいなマンションに飼い殺し状態で……一人の時はジャンキーな食べ物で適当に過ごしていた。

 もっとも、雄二は私に「少しはマトモになれ!」が口癖で……私に家庭教師まで付けて勉強を強要した。


「こんなに勉強するなら援交の方がまだマシ!」と何度も逃げ出そうと思ったけど、身の回りが“積年の埃”で色々とヤバかったので止むを得ず大人しくしていた。

 でもまあ、今にして思えば……こうして多少なりとも漢字やことわざが書けるのは、このおかげでもある。


 仕事の話はまったくしない雄二だったけど、そのストレスなのか“私を囲んでから”のエッチは酷く暴力的で……私は“見えないところ”がいつもどこかしら痣になっていた。

 でも次の日の朝は私のご機嫌を取るレベルでの甲斐甲斐しさを見せるので、私もついついしまっていた。

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