三眼伝説 ガラムの子

鯉ノ御影

ガラムの伝説

第1話

 ガラムの国に神の化身である龍の瞳(三眼)を持つ三つ子あり。


 その三つ子の心臓を龍霊山の火口にある陽光の祠に祀れば、光を纏う炎の龍が世界を手にする力を宿す七色の心臓を手に現れると言い伝えられている。


 そもそも三眼とは何か。それはガラムに生まれた三つ子が持つ特殊な瞳の事で、白龍眼、黒龍眼、赤龍眼と呼ばれている。その呼び名の通り、瞳にはその色の龍の紋章が透けて見えるそうだが、その紋章を見極められるのは赤龍眼を持つ者のみとされており、残りの二人は己が紋章持ちだと気付く事すら出来ない。ましてや他人がそれを見抜く事は不可能だという。


 こうして数百年に一度誕生すると言われている三眼持ちの三つ子は、長きに渡りその心臓を祠に祀られる事なく命を繋いできたそうだ。


 今ではその伝説を信じる者がいるのか否や、伝説発祥のガラムですら言葉にする者は殆どいなくなった。

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