第3話

「いらっしゃいませ〜!」



このカフェの営業を初めてから約1年。



初めは週3くらいの営業だったのに、今や固定客もついて営業日も増えた。



元々バーのみの営業だったこの店は、昼間のカフェになるとガラッと雰囲気を変える。



それは、来てくれるお客さんの違いもあるだろうけれど。



個人的には、蓮花ちゃんの存在が大きいと思っている。



「AセットとCセットですね〜、少々お待ちください!」



笑顔で注文を聞いて回る蓮花ちゃんに、お客さんも癒されているようで。



心做しかお客さんたちの表情も柔らかく見える。



「翠さん、ラテアートふたつ!」



「はーい。」



蓮花ちゃんの言葉に、思わず笑みをこぼしながら。



私は温めたカップに手を伸ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る