第5話 最初の試練
家族の愛を象徴する三つの宝石――愛情、支え、絆――を手にしたミノは、心に少しずつ自信を取り戻し始めていました。
「次はどこへ行けばいいの?」
ミノが天使たちに尋ねると、一人の天使が静かに答えました。
「この先にある暗闇の谷を越えなければなりません。その谷では、あなたの心の弱さが形となって襲ってくるでしょう。」
「心の弱さ……?」
ミノは少し怖くなりました。
「大丈夫。あなたには、家族の愛の力があります。」
天使は優しく微笑み、ミノの肩をそっと叩きました。
天使たちに見送られながら、ミノは一人で森の奥へと進んでいきました。道は次第に細くなり、草木がまるでミノの行く手を阻むかのように生い茂っています。太陽が姿を消し、辺りはだんだん暗くなっていきました。
やがて、目の前に深い谷が現れました。その谷はまるで底が見えないほど暗く、不気味な風が吹き抜けています。
「ここが……暗闇の谷……。」
ミノの足が少し震えました。
谷の中からは、何かが動く音や、低い唸り声のようなものが聞こえます。まるで、何かが待ち構えているかのようでした。
「怖い……けど、進まなきゃ。」
ミノは、胸の中にしまった宝石をギュッと握りしめ、一歩ずつ谷へと足を踏み入れました。
谷に入った途端、周りは真っ暗になり、何も見えなくなりました。
「えっ……! 何も見えない!」
その瞬間、闇の中から低い声が響きました。
「お前は一人だ……。誰もお前を助けてはくれない……。」
「誰……?」
ミノが声のする方を見ようとしましたが、何も見えません。
すると、闇の中から巨大な影が姿を現しました。それはミノ自身の心の中にある「弱さ」や「不安」が形になったもの――闇の化け物でした。
「お前には力なんてない。どうせ、すぐに諦めるんだろう?」
化け物が不気味に笑い、ミノに向かってゆっくりと近づいてきます。
「そんなこと……!」
ミノは後ずさりしながら、胸の中で感じている恐怖と戦いました。しかし、化け物の言葉が心に突き刺さり、足が止まってしまいます。
「どうせお前なんて、一人ぼっちだ!」
化け物の声がさらに大きくなり、ミノの頭の中に響き渡ります。
「ううっ……!」
ミノは耳をふさぎました。涙がこぼれそうになり、心が折れそうになります。
そのとき――。
胸の中にしまった宝石が、ほのかに光り始めました。
「宝石……!」
ミノは驚いて胸から宝石を取り出しました。
ピンク色の愛情の宝石が、やさしい光を放ちながら主人公の手のひらの上で輝いています。
「そうだ……ぼくは一人じゃない。家族の愛が、いつも私を支えてくれている……!」
光はだんだんと強くなり、化け物の黒い影を少しずつ押し返し始めました。
「やめろ! お前にそんな力はないはずだ!」
化け物は叫びました。
次に、青い支えの宝石が輝き始めます。
「ぼくを支えてくれた家族がいた……! だから、ぼくは立ち上がれる!」
そして、最後に緑の絆の宝石が力強い光を放ちました。
「家族との絆は、どんな闇にも負けない……!」
ミノの心が、家族の愛で満たされていくのを感じました。恐怖は少しずつ消え、代わりに勇気が湧き上がってきます。
「お前なんかに負けない!」
ミノは宝石を胸に掲げ、闇の化け物に向かって叫びました。
すると、三つの宝石の光が一つになり、強い光の柱となって化け物を包み込みます。
「うわああああ!」
化け物は光に飲み込まれ、少しずつ消えていきました。
やがて、周りの暗闇もゆっくりと晴れていき、ミノの目の前には再び月明かりが広がりました。
ミノは深く息を吐き、静かに立ち上がりました。
「やった……。ぼく、できたんだ……!」
胸の中には、これまで感じたことのない自信と力が湧き上がっていました。
そのとき、遠くから天使たちのやさしい声が聞こえてきました。
「よくやったね。あなたは一歩、前に進むことができたんだよ。」
ミノは空を見上げ、月の光を浴びながら笑いました。
「ありがとう。ぼく、もう怖くない……! もっと強くなれる気がする!」
こうして、ミノは暗闇の谷を越え、最初の試練を乗り越えたのでした。
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