第13話 彼の想い
私は空の上にいた。
彼の傷は、一瞬で治った。彼の力、もしくは、魔女の加護。
「さあ、ティアに乗って」彼に手をひかれ、ドラゴンの背に乗る。
そして、みんなのいる丘に向かった。
戦場には、夥しい数の魔物の死骸が見える。
「ご無事で!」大歓声が響き渡る。
もう私のするべきことは、おしまいだ。王女としての役割は。
「あとのことは、お兄様にお任せします。悪魔と手を組んだもの達は捕らえてあります。それでは」
私は今まで、長い長い繰り返しの間に、不審に思ったが質問を出来なかった言葉を彼に投げた。
「ねえ、どこで気がついたの?」
「お前は嘘をつく時、目が泳ぐ!」
「何処に追放しても、冷たくしても、来てくれる」
私は間違っていた。運命を修正しているのは時の波ではない。彼の意志だ。彼の想いだ。
「ティオスの家に、レイラからの手紙が沢山あった。いつも誕生日プレゼントありがとう」
私は、顔を真っ赤にした。
「ねぇ、私は誕生日プレゼントもらってないんだけど?」
「じゃあ、これを」
彼はポケットから指輪を取り出し、私に接吻をした。
ありがとう、リドリー
世界で一番大切な人
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