第3話 流れ星の水族館

「本当にここであってる...?」


私は独り言を漏らしながら思っていたよりも


大きい建物を見上げる。


「このチケット見せればいいのかな?」


そう思いながらチケット売り場に向かうが


混んでいたため入場口の人に


聞いてみることにした。


「これ使えますか?」


するとその人は目を丸くして


「ちょっと待っててください」


と言いながら慌てて裏に行った。




数分後、さっきの人はいかにも偉そうな人と


戻ってきた。


そしてその偉そうな人は


「珍しいですね。これは20名様限定で配られるチケットです」


と言った。


周りの人達は私をジロジロ見ている。


「お金はかからないのでこのまま入っていいですよ」


そう言われ、私はそそくさと館内に入った。


プラネタリウムもあるから


後で見に行ってみよう。






館内には様々な魚が居た。


他にも星について学ぶことが出来る場所も


あるようだった。


私は入場してからずっとイルカを見ている。


たまに人間を観察するようにこちらを見たり、


イルカ同士がじゃれあって泳いでいるさまも


見ることが出来る。


そんなことを考えながら見ていたら


あっという間に時間は過ぎてしまい、


プラネタリウムの開演時間になってしまった。


「またね」


そう言いながら私はイルカに背を向ける。


プラネタリウムが終わった後も


見に来ようと思った。




プラネタリウムに向かっている途中、


他の客たちの会話に耳を向けると


プラネタリウムの話をしていた。


やはりプラネタリウムも混んでいるのだろう。


私はそんなことを考えながら歩いていたら


先程とは雰囲気が違う場所に


来てしまっていた。


私はこの広い館内で道に迷ってしまったのだ。


色々探索したが、


一向に先程の道に戻れる気配は無い。


自分自身が方向音痴だということを


改めて知らされた気分だった。


「どうしよう...」


そんなことを呟いていると前方に1つの扉が


見えた。


そこで私はこの中の人に先程の道にまで


案内して欲しいと頼むことにし、


その部屋の中に入った。


その部屋は関係者以外立ち入り禁止の


部屋だと知らずに。

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