第2話 オバケとの接触
そして今年もハロウィンがやってきた。
周りの人達の会話はオバケの話で持ち切りだ。
そのとき、私の目の前をオバケが横切った。
周りは大騒ぎになり
捕まえようと試みたりしている。
もし、私がここでオバケを助けたら
オバケは捕まらないかもしれない?
もし私がここで見て見ぬふりしたら
オバケは私を恨むかもしれない?
そんなことを考えてたら私はいつの間にか
そのオバケを抱えてどこかへ走り去っていた。
そんな私を見て周りの人達は動画を撮ったり
暴言を吐いたり、色んな目で私を見ている。
誰かがSNSに書き込んだのだろうか。
それとも誰かが警察に通報したのだろうか。
私の後ろからは警察官や人々が走ってきてる。
やっとの思いで隠れた場所は
路地裏のゴミ捨て場の物陰。
世界も私なんかには味方してくれないのか
空からは沢山の雫が降ってくる。
私はオバケが濡れないように抱きしめると
オバケと目が合う。
「こんな大事になってごめんね」
そう言いながら私は苦笑いをする。
水溜まりには私とオバケが映ってる。
「なんか鏡の中の世界みたいだね」
と言いながらオバケの方を向くと
明らかにさっきよりもオバケの数が
増えていた。
そして最初に助けたであろうオバケが
ゴミ捨て場から何かを引っ張り出している。
呆然としていると次々と他のオバケ達も
それを引っ張っているようだった。
次の瞬間、ガタンという音と共に現れたのは
鏡だった。
そしてオバケは私の手を引いて
鏡の方を指さしていた。
指というか手だったけど...。
「え?」
私が不思議に思ってると、
「プー」
と言いながらオバケ達は私を鏡に押し当てた。
「え、ちょ、何!?」
ぐわんと歪む視界。
そこで私の意識は途切れた。
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