日之枠 優希は人の心が読める

明日葉 晴

プロローグ


 この学校には不思議な噂が流れている。


日之枠ひのわく 優希ゆうきは人の心が読める』


 荒唐無稽でバカバカしい。

 誰も彼もが鼻で笑うような噂が、この学校には広がっている。

 事実、ボクも信じてなどいなかった。

 当たり前だろう?人の心が読めるって、超能力がこの世に存在しているって、信じられるわけがない。

 まだ観察力に秀でているとか、洞察力が優れているとか、推察力がずば抜けて高いとかの方が信じられる。

 だから、噂のことを知った日はそんなわけないだろと小馬鹿にしていた。


 ──それがどうだ。


 噂の証明をされて、現実に超能力者が存在していると言われてしまえば、ボクは認めなければならない。


「ようやく信じてくれたかな?」


 日之枠 優希は人の心が読めるのだと。

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