第11話
初めは逆光で顔など見えなかったけど、その人が一歩この路地に入った途端、鮮明に見えた……
ユッキーさんは
「っっ」
艷やかな漆黒の髪は、元はオールバックだったんだと思う。
けれど天使達を必死で探して走り回ったのがわかる程乱れてる。
鋭く切れ上がった漆黒の瞳は天使達を見つけた瞬間、柔らかく細まった。
その瞳には安堵の光。
優しい優しい眼差し。
天使達のお父さん、なのだろうか??
私は……父にあんな眼差しをされたことはない……。
あの人が出来損ないの私を見る目は、ただただ冷たかった。
「八千流、ハイド」
男の人は一目見てわかる高級スーツが濡れるのも構わず、アスファルトに片膝をつき両手を広げた。
「「ユッキー!!」」
天使達は迷うことなくその腕に飛び込んでいく。
「全く。勝手に動くなと俺もアレも言わなかったか?」
ギュウウウッと、深く深く二人を抱き込んで諭すように言う男の人。
「ごめっ、ごめしゃっっ」
「うっ、えっ。だっっ、こえ……こえした……」
声ー?
それって……まさか私の?
だから二人は"お父さん"から離れて、こんな所まで来てくれたの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます