第24話 退職願


 ついに、城崎岳が疲れた顔で出社してきた。


「中畑部長、おはようございます。ってもう昼過ぎてますけど・・・」


「岳!大丈夫か。少し痩せたな・・・。」


「ええ。でも、僕は大丈夫です。それよりも、東京未来システムの件はどうなりましたか?」


「すまん。沢渡恵子社長への相続税支払い資金はストップ。当然EBPCへの7千億も中止だ。当行は何も出来ん状況だ。」


「そうですか。」


「それと、東京未来システムは3月31日に臨時株主総会を開く。全事業をEBPCへ譲渡するそうだ。」


「えっ!!そんな・・・でも、議決権は45%を恵子社長が持ってるでしょう。」


「それが、相続手続きが間に合わない。だから20%のままだ。対するファンド側は40%保有している。3分の2を確保している。」


「じゃあ、創業メンバーが持っている15%程度で決まるということか・・・」


「岳・・・すまない。それどころじゃなくなった。」


「どうしたんですか。部長。」


「すまん。本当に申し訳ない・・・。今から一緒に人事部に行ってくれないか。」


「へ!?人事部(ヤバイやつだこれ・・・)」


「すまん・・・・・」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る