第20話 拘束を解かれて
鉄格子が、音を立てて開く。
その音は、まるで獣の断末魔のようであった。
〝たくみくん?ロビーに出てみる?〟
夜中であるにも関わらず、永田匠は、拘束をとかれ、鉄格子から出る事を許された。
匠は、水のペットボトルを抱え、ふらふらとした
足取りでロビーにでる。
ロビーの席に一人の初老の男性が座っている。
その男性は、伸びた白髪を後ろで縛り、一杯の水の注がれたグラスの前にいる。
匠は、吸い寄せられるように、その男性の前に座った。
男性は、「何故、ここに座ったのかね?」と尋ねる。
匠は、「解らない、知りたいのは、どうしたらここからでられるか?です」と答える。
男性は、「何故出たいんだ?」と聞く。
「それは、‥自由になりたいから、仲間を守りたいから‥」と答える。
「君にそんな資格があるかね?」と男性が言うと、匠は怒った!
「アンタに何が分かる!俺は戦ってきたんだ!今までも!記憶は戻った!後は力さえ戻ればまた、戦える!」と声を荒立てた。
〝これは、君の力と記憶〟
男性は、〝ルビー〟のような石をテーブルにのせた。
「君の〝力〟を戻す為のものだ、言っておくが、
何のためにか、よく考えて、飲むなり、捨てるなりすればいい‥何のためにか‥」と話し、水を飲んだ。
匠は、暫く考え、
「俺は戦う、自由の為に!」そう言って、〝ルビー〟を飲み込んだ!
匠の身体に、感じた事のない衝動が湧き上がる!
匠は、立ち上がり、叫んだ!
辺りの電気にまつわるものが、放電する!
ロビー全体が、電流に包まれ白紫の光に満ち溢れる。
その電流は、男性にも流れ、男性を黒焦げにした。
そん瞬間、辺りは暗闇に包まれる。
闇、闇、闇
〝まだ間に合う!戻って来て〝L〟
と森村楓があらわれた!
しかし、次の瞬間、楓は、〝赤い靴〟を履いた少女に変わった。
金縛りにあった匠の頬を少女は撫でる。
〝ようこそ、〝L〟〟
〝欲望を満たす世界へ〟
匠の瞳は、灰色になっていた。
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