第14話

──…西森にしもり 雪乃ゆきの ちゃん



名前まで可愛らしい彼女は、小動物みたいな守ってあげたくなるような女の子で。部活中…何度も由吏が彼女をサポートしてあげているところを私はこの目で目撃していた。




例えば…校庭に咲いている桜の写真を撮ろうとみんなでカメラを持って回っている際に、何も無いところで躓いて転びそうになった彼女を…すぐさま支えてあげている姿だったり、、



カメラの手入れをしている際に、うっかり指をケガしてしまった彼女に素早く絆創膏を差し出してあげたり。




そんな姿を何度か目にしていると、嫉妬からくるイライラが募り始め…ダメだと分かっているのに雪乃ちゃんに対して冷たい態度を取ってしまう。




「胡桃せんぱい…遅くなってしまったので今日は私も帰り…ご一緒させてもらっていいですか?」



唯一、二人きりで帰れる放課後の時間までも奪おうとしてくる彼女に腹が立って、、



「……なんで?一人で帰るのが嫌なら、早乙女氏に送ってもらえば?」



そんな角が立つような言い方をしてしまったせいで…雪乃ちゃんは悲しそうな表情を浮かべて俯いてしまった。

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