第8話

そんな私たちが付き合うことになったのは…私が写真部に入部して4ヶ月くらい経ってからのことだった。




「ねぇ、今度カメラ買いに行くのついてきて」



「……純粋にカメラ屋に行くのが目的じゃないことくらい顔を見れば分かる。早乙女に頼め」



「放課後デート、してみたいとか思わないの?せっかくの高校生活…彼女欲しいとかそういう欲は芽生えたりしないの?」



「…別に。今の生活に不自由なことなんて無い」



「じゃあ試しに付き合ってみようよ!好きな人とか居ないんでしょ?だったら私でいいじゃん…お願い!」



「………まぁ、別にいいけど。」




彼が女子の”お願い”に弱いことを知っていた私が、半ば強引に由吏を彼氏にしてしまったところはあるが、、




「胡桃、早く片付けろ…置いて帰るぞ」




なんて具合に…頼んでもいないのに名前呼びで呼んでくれたり、毎日反対方向にある私の家まで送ってくれる由吏は間違いなく私の彼氏だった。

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