第70話
"大丈夫"そんな風に。
うん、お任せします。
あたしも笑い返して頷き、雪代さん……雪代さんに……
「なぁぁ!?雪代さん!?」
ガックリとショックを受けてる雪代さんを助け起こそうとしたら雪代さん、自転車の男を"あ"あ"!?"とか"あ"!?"とか"テメェのせいでよぉ……"とか言いながら小突いてた。
って、そんな生易しいもんじゃなかった……殴ってた。
八つ当たりだ、八つ当たり!!
「こらっ!!雪代さんっ!!」
慌てて止めに入る。
「どうして泣いてるんだ?パパの可愛い八千流とハイドは」
「うっっぐ!!やちっっとハイッ!!おこじゅかい@$*¥&〒<*」
「ふたりでっっ!くっ!いけっっゆっ//×+¥&**」
おおぅ……言いたいことはわかるけど、わからない。
何を言ってるのか全くわからないよ、我が子達……。
「そうだな、それは悲しかったよな……」
わかるの!?八雲さん!?
さすがパパ!!
いやいや、そうするとあたしママ失格!?
……………………。
ちょっとあたしも自転車男に八つ当たりしてやろうかな……。
ツネってやろうか……
「でもな……」
「「いやいやいやっっ!!ままもユッキーもき"ら"い"~っ!!」」
二人共、八雲さんが話そうとするのを遮り、首にしがみついてイヤイヤしてる。
「だぁああああああっ!!」
再び「嫌い」と聞いた雪代さんが拳を振り上げたもんだから全力で止めに入る。
「君っ!!君、もういいから去れ!!一刻も早く!!」
もうすでにボロボロの自転車男は半泣きで頷き走り出そうとする。
あっ、その前にっ!!
「二度とあんなスピードでこの辺りの道を走らないでね!!小さな子供達やお年寄りの方々も通るんだから!!もし今度、あんな運転してるのを見たり、知ったりしたら…………」
ハイッ出番です、雪代さん。
押さえていた雪代さんをスッと離す。
『殺すぞ』
殺気を撒き散らしながらそう言った。
「ハィイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!」
その殺気に腰を抜かした自転車男は、這いつくばりながらなんとか逃げていった。
よし、こっちはOK。
後は……
おお??
少し見ない内に何が??
双子、抱っこから下ろされ、ギャン泣き。
八雲さんの足にしがみつきながら、ギャン泣きしてた。
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