第1章: デジタルの夜明け
「メリークリスマス、かふちゃん!」
朝のテレビ音声に目を覚ました朝、
かふちゃんの目の前には長年憧れていたJoin Warsスターターパックが置かれていた。
2030年12月25日、15歳の誕生日を迎えた特別な日。
彼女は震える手でパッケージを開けた。
「やった!本当に買ってくれたんだ!」
かふちゃんは興奮を抑えきれない様子で箱を開けた。
中には最新のVRヘッドセットと、Join Warsの基本カード50枚が入っていた。
カードの表面には美しいホログラムが施され、それぞれが独自の効果を持っている。
指でそっと触れると、カードが淡く光り、まるで生きているかのようだった。
VRChatが生活の中心となったこの時代、
Join Warsは若者たちの間で絶大な人気を誇るゲームだった。
プレイヤーは自分の分身となるアバターを操り、カードを駆使して戦う。
カードには「改変力」という特殊な能力が備わっており、
プレイヤーの想像力次第で効果を変化させることができる。
かふちゃんは早速VRヘッドセットを装着した。
目の前に広がる仮想空間は、想像以上に鮮やかだった。
透明な青空の下、無数の浮遊島が連なり、
それぞれの島にはJoin Warsの対戦場が設けられている。
遠くには巨大な浮遊都市が見え、その周りを飛行船が優雅に旋回していた。
「初めまして!私はセレニウム。新人さん?」
明るい声とともに現れたのは、金色の髪をなびかせるアンティークな世界観を駆け抜けるお嬢様風の少女のアバターだった。
かふちゃんは少し緊張しながら返事をする。
「はい!今日からJoin Warsを始めたかふちゃんです!」
「じゃあ、一緒に練習しない?基本的なカードの使い方から教えるね!」
セレニウムの指導の下、かふちゃんは基本的なルールを学んでいった。
カードを場に出す「プレイ」、カードの効果を変化させる「改変」、
相手の動きを読む「カウンター」。
一つ一つの動作が新鮮で楽しかった。
「このカード、『ジョインブースト』っていうの。改変力を使えば、効果を二倍にできるんだよ」
セレニウムちゃんの説明を聞きながら、かふちゃんは徐々にゲームの奥深さに魅了されていった。
カードの組み合わせは無限大。
プレイヤーの創造力次第で、思いもよらない戦略が生まれる。
練習を重ねるうちに、かふちゃんは独自の戦術を編み出していった。
「改変力」を巧みに操り、カードの効果を最大限に引き出す。
その成長ぶりは、セレニウムちゃんも驚くほどだった。
「かふちゃん、このカードの組み合わせ、すごいよ!」
「ありがとう!改変力を使って、このカードの効果を最大限に引き出したんだ」
かふちゃんは嬉しそうに笑顔を見せた。
Join Warsの世界は、彼女に新しい可能性を見せてくれる。
仮想と現実が溶け合うこの空間で、彼女の冒険は始まったばかりだった。
その日から、かふちゃんは放課後になるとすぐにJoin Warsの世界に飛び込んだ。
新しいフレンド、カードの知識も増えていく。
時には負けて悔しい思いをすることもあったが、
それも彼女を強くする糧となった。
ある日、かふちゃんは「ジョインマスター」と呼ばれる上級プレイヤーとの対戦機会を得た。
緊張しながらも、これまでの経験を総動員して戦いに挑む。
激戦の末、惜しくも敗れはしたものの、その戦いぶりは周囲の注目を集めた。
「君、すごいポテンシャルがあるね」
ジョインマスターは対戦後、
かふちゃんにそう声をかけた。
「これからが楽しみだ」
その言葉に、かふちゃんの胸は高鳴った。
Join Warsの世界には、まだまだ自分の知らない戦略や技がたくさんある。
それを一つ一つ学び、マスターしていく過程に、彼女は大きな喜びを感じていた。
夜遅くまでカードの研究に没頭する日々が続いた。
フレンドは少し心配そうだったが、かふちゃんの目の輝きを見て、
その情熱を応援することにした。
「かふちゃん、頑張ってるね。でも、現実世界のことも忘れないでね」
フレンドの優しい言葉に、かふちゃんはハッとした。
確かに、Join Warsの魅力に取り憑かれすぎていた。
これからは、現実と仮想のバランスを取りながら、
自分の道を歩んでいこうと決意する。
Join Warsの世界で過ごす時間が増えるにつれ、
かふちゃんは不思議な現象に気づき始めた。
時々、カードが現実世界でも微かに光るように見えるのだ。
最初は目の錯覚だと思ったが、何度も同じ現象が起こる。
これは単なるゲームではないのかもしれない―
そんな予感が、彼女の心に芽生え始めていた。
誰もが認めるほどの実力者になるまでは、まだまだ時間がかかるだろう。
でも、かふちゃんはその道のりを楽しむことができた。
なぜなら、Join Warsは彼女にとって、単なるゲームではなく、
夢を叶える場所だったから。
そして、この冒険がどこに導いてくれるのか、
彼女はワクワクしながら次の一歩を踏み出す準備をしていた。
次回予告: 「大会の予感!運命のポスター」
「あれ?このポスター...Join Wars第1回トーナメント大会!?」
次回、「じょいわ」
第2章『大会の予感!運命のポスター』
かふちゃん:「待っててね、私の挑戦が始まるよ!」
BGM: ♪ターラララ ターララ♪
【じょいわ!】VRChat.EXE(Join Wars編) だみんちゃん @daminchan
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