第8話・結:七罪集結

 デウスデス・コーポレーションに啖呵を切られたダークアルカディアとサンドリヨン・ヴィレイネス。

 そんな中、ハーデッドは溜息を吐きながらも集結している悪の組織ヴィランドたちの前に現れ、レイシアも彼に続けて、姿を露わにした。

「たくよっ、はいはい。分かりました分かりました、出て来ますよ。おたくらときたら、もうちょっと穏便に済ませねぇのかよ、ぎゃーぎゃー五月蝿えんだよ。」

「ふふふ、私達は悪役ヴィランだから、しょうがないわ。悪は我欲を持って、世界に力を示す。故にこのぶつかり合いは必然よ。だけどそのおかげで今宵は素敵な共演で饗宴が出来そうね。」

 ダークアルカディアとサンドリヨン・ヴィレイネス、互いの親玉が先陣を切ったことで集結に間に合い、姿を現した。

 今、帝都旅館に七罪之諸悪セブンズシンジケートが集う。

 アメリカの裏社会を牛耳る最大マフィアにして、超異能アビリティ覚醒者・ホルダーの最強一家【アブノーマル・ファミリー】

「どいつもこいつも血気盛んに成りやがって、ここらで家族マフィアの矜持を見せてやろうかお前ら!」

 中東最大の人類奴隷国家にして、爬虫人類を至上とするテロ教団【爬虫神徒】

「旧人類共、爬虫人類が真の地球の支配者だということを身を持って知れい!」

 魔族と化した社会のはみ出し者たちの共同体コミュニティにして、堕落した理想郷を求める魔神結社【ダークアルカディア】

「俺たちの怠惰な安寧と堕落した愉悦の為にここで死ぬわけにはいかねぇ。気張れよ、みんな。」

 環境保護を超えた人類絶滅を掲げる環境テログループにして、人類の醜さを誰よりも憎む人間嫌いのエコロジー思想集団【ガイアラース】

「散りなさい、人類ゴミ共。私達が望む美しき地球自然の明日の為に。」

 魔界からやって来た夢魔のアイドル結社にして、群衆の心魂を穢す欲望の権化【サンドリヨン・ヴィレイネス】

「私達も負けないわよ。こんな最高のステージで淫魔の欲望を貴方達の羨望に変える良い機会だもの。」

 超銀河最強の宇宙海賊にして、全てを奪い、魔改造する宇宙一のコレクター【マカイゾーグ】

「さぁ、野郎共! 略奪の時間なのです! 奪って、奪いまくって、魔改造なのです!」

 生ける屍による多国籍企業にして、世界を戯れ、生命を弄ぶ経営戦略家達【デウスデス・コーポレーション】

「さぁ、遊戯ゲームを始めましょう。遊び相手プレイヤーも多ければ楽しいから。」

 七罪之諸悪セブンズシンジケートによる邪悪な抗争が今始まる…

 かのように思った瞬間、風景の色がそれぞれの悪の組織ヴィランドの手下達の色と共に暗転し、時が止まった。

 唯一、免れたのは、ガロッサ・アルカポネ、レプトール、ハーデッド、ダイソンクイーン、レイシア・ラブバグス、キャプテン・モナ、ディナ・レヴェナントの親玉七名であった。

「ロイズ! ドラク! アッシュ! …他の奴らも無事だが、やられたか…」

「我が同胞を時の牢獄に捕えるとは…それを出来るのは奴しかいない。」

「畜生が、俺達が喧嘩する前にすればよかったのによ! 相変わらず、意地悪な奴だ!」

「元糞人類に同調するのは気に食わないですが、全くもって不愉快ですね。」

「あらあら、残念。最高のステージになると思ったのに。」

「コラアァァァァ! モナの手下達をよくもこんな目に! 黒幕め、出て来やがれなのです!」

「相変わらず遊び心が溢れるわね。どうやら来たみたいね、が。」

 七名の悪人達は帝都旅館から降りて来る人影を見上げていた。

 それは白髪のミディアムヘアーと黄金の瞳を持ち、紫の軍帽を被り、紫の軍服を着た好青年であり…

「やぁ、みんな、久しいね。最初はどのように戦い合い、最後に生き残る悪はなんなのか知りたかったけど…」

 七罪之諸悪セブンズシンジケートの創設者たる、を背負いし悪雄ヴィラン

「僕達はこんな所で潰し合い、躓く訳にはいかない。だから、中途半端な形で調停したことは謝ろう、すまなかったと。そんなことより、始めよう悪による悪の為の悪の宴を。」

 名を、『終之始エンズビギンズ』。





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