第3話 「時間は少し巻き戻り――」
時間は前後し、女神の神殿で
眠りから半覚醒し、そしてまた眠る。
それを3度繰り返し、4度目でようやく
「ここ……どこ?」
自分の寝ていたベッド、ソファにテーブルなど、どれも見覚えのない家具ばかりだ。だがどれも安物ではない。照明など、シャンデリアが吊るされているではないか。
ただ少し、ゴミなどで散らかっているのが気になった。
「ん、ようやく起きたか?」
「……誰?」
「
神を名乗った女性は、尊大な口調で一方的に語る。
それはまるで
「試練と言われても分からんか。お主には九つの――」
「
だが
互いを無視する女2人。
果たして、この2人に会話などできるのだろうか?
だが、その心配は杞憂だった。
「
得意気に話しているが、この自称神……勝手に人の頭の中身を覗くと宣言するとは、他人への
だが
「ふむ……男か。残念じゃが諦めるのじゃな。女しか
女神は端的に「諦めろ」と宣告した。
だがその言いように、
女神は「できない」ではなく、「招くわけにはいかん」と言った。ということは、やろうと思えばできるということだ。
「
「できんと言ったぞ」
「言ってない。生き返らせてくれないなら、試練なんて知らない」
ならば、逆にそれを取引材料にできるのではと考えたのだ。
「お主はまだ肉体を手にしておらぬ。
「いい」
「……このまま、放置することもできる。出口のない狭い部屋で、意識を持ったまま
「いい。
女神の脅しにも全く
そして皮肉なことに、心を読める女神には
今は強気に出ているが、何年も何十年も経てば気も変わるだろう。
女神はそう確信しているが、そのように気長に待つことはできない理由もあった。
結果……。
「……はぁ、分かった。その
折れたのは女神の方だった。
女神にも事情があり、時間を無制限に費やすことはできないからの判断ではあったのだが……
というかこの娘、仮にも神を名乗る相手を恐れないのか?
「ただし、時間制限を設けさせてもらうぞ。そうじゃな……1年以内に試練を全て果たしてもらう」
「わかった」
試練とやらの詳しい内容を聞きもせずに2つ返事で応える。
「では試練の内容を伝えるぞ。肉体を得たら――」
「早く
あくまで自分の要望を優先させようとする
女神は再び溜息を
こうして
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