第3章: 魔法学院との出会い
王都レーゲンブルクの中心に聳える巨大な塔。
その最上階にある魔法学院の窓から、はるかは街並みを見下ろしていた。
トーマスの紹介状のおかげで、魔法学院への入学試験を受ける機会を得たのだ。
「春日原はるか様、学院長がお待ちです。」
案内役の教師に導かれ、はるかは学院長室へと足を踏み入れた。そこには、銀髪の老魔法使い、アルベルト・ヴァイスが待っていた。
「君が噂の異世界からの魔法使いか。見せてもらおうか、君独自の魔法を。」
はるかは深く息を吸い、自信を持って魔法を展開する。
彼女の手から青い光が放たれ、空中に魔法陣が浮かび上がる。それは通常の魔法陣とは全く異なり、プログラミング言語のような記号が幾何学模様を描いていた。
「これは...!」
アルベルトの目が驚きで見開かれる。
はるかの魔法は、この世界の常識を覆すものだった。
「私の世界では、プログラミングという技術で機械を制御します。その原理を魔法に応用したんです。」
はるかは説明しながら、魔法陣を変形させていく。
まるでコードを書き換えるように、魔法の効果をリアルタイムで変更できるのだ。
「素晴らしい!これは革命的だ。君の知識は、我々の魔法研究に大きな影響を与えるかもしれない。」
アルベルトは興奮を隠せない様子で、即座にはるかの入学を認めた。
そして、特別研究室の使用権限も与えられた。
「ところで学院長、私の能力について気になることがあります。なぜ私はこのような力を...」
アルベルトは真剣な表情になり、古い書物を取り出した。
「実は、千年前の預言に似たような記述があってな。『異世界より来たる者、魔法を新たなる形へと導く』というものだ。」
はるかは息を呑む。
預言の存在は、彼女の召喚が単なる事故ではなかったことを示唆していた。
「そして、君の魔法には特殊な波動が含まれている。これは...」
アルベルトは言葉を選びながら続ける。
「古代魔法文明の痕跡と酷似しているのだ。彼らも、魔法を数式や記号で制御していたという記録が残っている。」
その日から、はるかの研究は新たな段階に入った。
昼は通常の魔法を学び、夜は特別研究室でプログラミングと魔法の融合を追求する。
彼女の作り出す新しい魔法体系は、学院中の注目を集めていった。
「if文による条件分岐、for文によるループ...プログラミングの基本構造は、確実に魔法に応用できる。」
研究を重ねるうちに、はるかは重要な発見をする。
彼女の魔法には、この世界の魔法では見られない特徴があった。それは、魔力の消費効率が極めて高いことだ。
「これが私のチート能力の本質かもしれない。プログラミングによる最適化...」
しかし、その発見は新たな疑問も生んだ。
なぜ彼女にだけ、このような能力が与えられたのか。
そして、古代文明との関連性は何を意味するのか。
「はるかさん、」アルベルトが彼女の研究室を訪れた。
「古代遺跡の調査隊が、興味深い発見をしたようだ。君の魔法に関係があるかもしれない。」
はるかは決意を固める。
自分の能力の真相を解明するため、
そして、この世界で自分にできることを見つけるため。
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