24話 真意
私達は動揺して、体が固まったように動けなかった。そんな中で、言葉を切り出したのは、米屋だった。
「辻君、俺のこと好きなの?」
米屋は恐る恐る聞いた。辻は間を置いて、頷いた。
「ごめん。全然気づかなかった」
「気にすんなよ。俺も勝手に教室出ていったりして、心配させてごめん」
「でも…」
「気にするなって言ってるだろ!」
辻は怒鳴った。米屋は体をびくりとさせた。
「この空間に、この3人でいることが辛いんだよ。わかってくれよ」
「どういう意味?」
なんで、私といると辛いんだろう。私は辻の真意を聞いた。しかし、米屋は何かを察したのか、辻を制止しようとした。
「辻、おい、やめろ」
「ねえ、前に男女の友情は成立するって言ったよね。あれは間違いだよ」
「おい!やめろ!」
辻は構わず続けた。そして、私に言い放った。
「だって、米屋君の好きな人は君なんだから」
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