3 文明の循環(サイクル)

図⑤:成長する文明

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093083605801709


長期的には、技術が進歩すると、

経済・社会活動は拡大・省力・複雑・加速化するので、

政策もまた、必要なら大勢で動くが衆知も活かせるよう、

国際化など広域化と共に、民主化など分権化します。

また、ある技術段階において利害調整政策を極めると、

その限界を越える新技術導入政策が不可欠となります。

このような技術→社会→政策→技術……の変化を、

〝文明の循環サイクル〟と呼ぶことができます。


図3:文明の循環サイクル

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093083594477823


そうした文明の循環サイクルにより、

これまでも国家の発展や民主化が進んできました。

そして今では国連が、各国政府や自治体だけでなく、

会社や市民も含めて国際政策SDGsへの参画を

呼びかけている理由もまた、

この循環サイクルにあると考えられます。


次に、この循環サイクルはAIなどの必要性も説明できます。

農耕は文明を生み、動力は世界に広げ、

電算は地球的限界への到達の衝撃を和らげました。

しかしそれだけでは、SDGsが求めるような

惑星文明の持続的発展は確保できません。

今、地球環境の限界や社会経済の複雑化、

健康水準の低下、制度変更の加速化が課題であり、

それを解決できるような技術が求められています。


一方、AIは人智を越えた因果法則の発見と活用により、

新素材・動力やIoTとビッグデータ処理、知能ロボット、

生物工学、先進医療・教育などの〝実現技術〟を通じて

それらの課題を解決できる、新たな〝画期技術〟です。

具体的に言うと、AIを中心とした次世代技術は、

経済・社会活動における機械操作や対人業務に加え、

技術開発や政策提案も含む人的役務サービス

代行・支援を可能とします。


AI段階技術は原動機エンジンや材料を自然環境に優しくし、

電算機コンピュータやロボットを人心や社会になじませ、

生態系や人体への副作用を最小限に抑えつつ、

機械のように修復・改善できる技術です。

それらは人工物と自然物、文明と環境の間の壁を除き、

良いとこ取りで双方の持続可能性を高める技術であり、

全ての政策分野における社会課題の解決に役立つ、

〝環境親和技術〟〝持続可能性技術〟といえるでしょう。


そこで近年、狩猟・農耕・工業・情報社会に続く

AI社会を作るSocietyソサエティー5.0や、

行政から社会活動へと情報社会完成・AI社会建設を広げる

DXデジタル・トランスフォーメーション政策が生まれました。

また、より個別的な分野においても、

スマートシティーやマイナンバー、

データヘルス、EdTechエドテック活用、

デジタルガバメントなどの政策が考えられています。


〝文明の循環サイクル〟はこのように、

各種の新技術・政策が必要な理由を説明できます。 


図⑥:進化する文明

https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16818093083605977066

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