タクアリヌスの華麗なる物語
戦士
俺は華麗なる男
「あれはなんだ!?鳥か!?飛行機か!?いやあれは我らの勇者ドン・タクアリヌス様だ!!」
「キャーー!!タクアリヌス様ーーー!!」
「今日も私たちを守ってくれてありがとう!!」
「結婚してえ!!」
そんな人々の声が聞こえてやまない。彼らの言っていることは至極全うだ。なぜなら俺はドン・タクアリヌスだからだ!
何?この俺を知らない?なんてことだ!あなたはこの人生の7割いや!9割損をしている!!
これを機会に私のことを知っていただこう!
私こそあらゆる異世界をまたにかける放浪の勇者ドン・タクアリヌス!!
各地で人助けの旅を行い、あらゆる世界の危機を幾度となく救ってしまっている男!ドン・タクアリヌス!!
そしてそのパーペキでナイスでセクシーでエクセレントでアメイジングなモヒカンがゆえに数多の女性を恋の蟻地獄に引きずり込んでしまう男!ドン・タクアリヌス!!
君も何か困ったことがあったら遠慮なく私を呼ぶがいい!!ほんとに来るのかって?大丈夫!この異世界を渡り歩くイケイケマントでいつでも君の世界へ駆けつける!!
「なんで慈悲深い男なんだ勇者タクアリヌス様!!」
「さあ!君も彼を褒めたたえるんだ!!」
「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」「タクアリヌス様バンザーイ!!」
よせよせみんな!そんなに持ち上げても何もでてこないぞお!でもその気持ちは俺のモヒカンにしかと伝わったぞ!
「みんなタクアリヌス様を胴上げだ!」「ワーーッショイ!!ワーーッショイ!!」
お前らみんな俺についてこーーーーい!!わーーーっはっはっはっはっは!!わーーーっはっはっはっはっは!!
あっでも持ち上げすぎだぞ!!そんなに上げるとーーー
わーーーーーっつあぶなああいいいい!!!!!
おわあっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
ドシン!!!!!
頭にジンジンと痛みを感じながら目を開けると、そこには可愛らしい少女が不思議そうにタクアリヌスを見つめていた。
「なんで床で寝てるのボサボサモヒカンのお兄ちゃん。寒くないの・・・?」
「・・・いや・・・床が・・・ひんやりしていて・・・」
自分でしゃべっていて苦しい言い訳だと思った男、ドン・タクアリヌスは宿屋の一室でそう呟いた。
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