第5話:売られたクラスメイト・下

浴室に入った俺達はお湯張りの魔道具を起動する。


「そういえば、途中から蒼井さんの反応が無かったんだけど……」


さっきの会話の途中から、蒼井さんは顔を真っ赤にしてブツブツと呟いていた。


「あぁ、奏は処女だけど凄いむっつりだから妄想してるんでしょ」


「そ、そうか……。蒼井さんはトリップ中なのか……」


確かに、時々緩んだ顔で蒼井さんがニタニタしてたな、クラスの中じゃ今まで見る事の無かった顔だけにちょっと新鮮味を感じる。


「ほっときましょう、ああなると2・30分は帰ってこないし」


「そうなんだ……」


「という訳で、さぁ脱いだ脱いだ」


「ちょ!? 引っ張らないで!」


次々と服が脱がされる、どうしてそんなに手際が良いの!?


「おぉ~やっぱりいい体してるねぇ~」


ぺたぺた胸板を触って来る、なんか凄く恥ずかしい!


「まぁ、この世界身体が資本だからね。って下は待ってぇ!」


「わーお……」


細野さんにまじまじと見つめられるてしまうのだった。


◇◆◇◆

「いやー気持ち良かったわね……色々と」


浴衣風の部屋着に着替えた俺と細野さんが浴室から出る、すっかり時間が経ってしまった。


「あ、あぅ……お帰りなさい……」


顔を真っ赤にした蒼井さんが、部屋の隅であわあわと慌てていた。


「へぇ~、かなでぇ~覗いてたんでしょ~」


ニヤニヤといたずらっ子の様な笑みを浮かべて、細野さんが近づいていく。


「ナ、ナンノコトカナー」


「隠さないでも良いんだよ~奏は鷹取みたいなマッチョ好きでしょ?」


「ナ、ナンノコトカナー!!」


あ、好きなんだ……さっきから視線が刺さってたから見慣れない男性の裸に警戒してるのかと思った。


「ねぇ、鷹取この世界ってお店に出る処女の子って大変だと思うけど、何か対策はあるの?」


「えっ? えっと……スライムポーションっていう名前の回復薬を混ぜたローションがあるよ。それと、媚薬」


「「び、媚薬ぅ(ですか)!?」」


「あぁ、どうしてもこの世界、お世継ぎ問題が付き纏うからね」


貴族はもとより商家だって自分の子供達に継がせないと安泰では無いしそうなると自分の子供を産ませるために必死に努力するのだ、その過程で媚薬なる物が生まれた訳である。


「「あぁ~なるほど……」」


「まぁ、娼館に降ろしてるのは効果も弱いし、薬師に聞いたのは気分が高揚しやすい酒精を混ぜてるのと鎮痛成分が主原料だからね、後は普通の媚薬成分」


「へぇ……安全性は大丈夫そうね、それでどこにあるの?」


「えっと、そこの鏡の裏、戸棚になってるからさ」


細野さんが体を揺らしながら戸棚を開ける、その中から2種類の瓶を持ち出してくる。


「さぁ、飲むわよ!!」


「あっ、ちょっ!!」


そう言って備え付けの小さいガラスコップに入れた媚薬をひと息で飲み干す細野さん。


「あーやばい……」


「えっと……何がヤバいんですか?」


「えっと……本来は他の飲み物に混ぜて使うんだ、それに一気に飲むとお酒が入ってるから一気に酩酊しちゃう……」


「それって急性アルコール中毒になるんじゃ……」


そうなのである、だから娼館で媚薬を使う時は娼姫がゆっくりと飲ませるように促していくのだ。


「そうでなくても混ぜ物してない媚薬だから普通の3倍くらいの効力になるん……でゅっふ!?」


細野さんに突き飛ばされベッドの上に倒れ込む、更に馬乗りになった彼女が更に瓶をラッパ飲みしようとする。


「だめー!」


止めようとする蒼井さんが飛び込んでくる、すると媚薬を口に含んだ細野さんに蒼井さんが押し倒され媚薬を口移しされる。


「ん゛ー!!!」


「ぷはぁ……たかとりぃ~」


「は、はい……」


「たかとりくぅ~ん……」


蒼井さんの目が座ってる、いくら回りが早いとはいえこんなに速攻で効果が出るの事あるのだろうか。


「ちょっ、二人共。一旦落ち着こう! おちっ……むぐっ!?」


細野さんに媚薬を口移しされ目の前に火花が散る、これって原液より強っ……!?


「んくっ……ぷはぁ……」


満足そうな、細野さん媚薬の影響なのかいつもより力が出ない……。


「あはは~暑いですねぇ~」


顔に布を被せられた、朦朧とした手を退けると下着だった……。


「あっ……駄目だ……」


繋いでいた意識の糸が途切れる音がした。



◇◆◇◆

「うっ……記憶がない……」


昨晩はアインと酒飲んで……何で、俺娼館に居るんだ?


「んっ……んんっ……」


「!?」


隣でもぞもぞと動く塊が……そりゃ娼館に来たら相手が居て当然だろう。


――ガチャッ。


「あ、鷹取。起きたんだ、おはよー」


ドアを開けると見覚えがある女性がそこに居た。


「え? 誰……ふがっ!?」


タオルが飛んで来て顔面にヒットする、痛みは全く無いけど驚いた。


「あんたねぇ! いくら化粧して無いからってそれは無いわよ!!」


その声で段々と思い出してきた……。


「ふぁぁ……あっ……ご主人様、おはようございます」


隣に居た山から見えた顔で記憶が完全に戻ったのだった。



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