第漆章 宿命の暁

詠み人知らず

第1話

梅が枝に きゐるうぐひす 春かけて





鳴けども今だ 雪は降りつつ





【梅の枝に来ているウグイスは春を思って鳴くけれど、



まだ雪は降り続いている。】






            《古今和歌集 巻一 5》

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