第197話

『……真在子!』




「…さ……沙来………」




皇蓮楼にいつの間にか着いて、そこには沙来が待っていて……




私はすがりつくように、飛び込んだ。




そして涙が、溢れ出す。




わんわん声を……




嗚咽まじりに泣いた。




鳴いた。





夏の暑い日差しなのに




私の身体と心は冷たくなっていく。




立っているのが辛い。




一つ一つの呼吸が苦しい。







目眩がする………

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