第167話

パタン―――…………







『…慧…悟…さん……』




「真在子…………」







襖を開けたら来るはずのない彼が………






目の前にいて私を抱きしめる。






(夢じゃ……ない…よね?)







「夜分に悪い…無性に逢いたくなって、抱き締めたくなって来てしまった……」




慧悟さんの胸元から私を離し、大きな長くて綺麗な両手で私の頬を包み上げる。





そして瞳に映るのは、とても大好きな“愛しい男”。

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