第6話
『じゃ真在子、先に行くね。』
「うん!東乃さんによろしくね。いつもお世話になりっぱなしで……」
『そんな……うん、分かった。』
沙来はそう言うと、部屋から出て行った。
「はぁ………」
出てくるのはため息だけ。
言葉に出せない思いを溜めこまないように深く吐く。
窓の向こうの夜空の月に。
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