第伍章 宿命の辱

六十五

第1話

ミーン……ミーン………





ミーン…………ミーン………





蒸せかえる気温。




生暖かい空気。




じわりと汗ばむ肌。




七月の太陽は燦々(さんさん)と光を放ち、時おり吹く風が涼を与えてくれる。




そういえば先月の六月は梅雨の時期なのに、雨という雨は降らなかったように思う。




降ったとしても小雨が多く、妙に晴れていたりして不思議な天気だった。




でもそのお陰もあって、梅雨独特の身体のだるさが緩やかで、お腹の中の赤ちゃんも私も至って快適に過ごせた。

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