第弐章 宿命の意

詠み人知らず

第1話

さむしろに 衣かたしき

今宵もや


我を待つらむ 宇治の橋姫


《古今和歌集第十四巻 686》


【“むしろ”に自分の衣だけを敷いて独り寝ては、今宵も私を待っているのだろうか、宇治の橋姫は……】

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