勿忘草~キミヲ オモフ~①〔完〕
碧 里実
表紙
薄紅に染まった乙女のしなやかな手で、酌み交わす酒が注がれる。
吉原中も春景色に変わり、大門から真っ直ぐ続く道中の桜が咲き誇る。
春がもたらす風が過去の悲しみと涙を思い起こさせる。
貴女と過ごした時間は刹那だったけども、愛しい日々だった。
ただ、思うことは一つ。
失った貴女をまだ、断ち切れない。
貴女と一日たりとも逢わないではいられなかったーーーーーーーーー今ではそれも、叶わない。
逢いたい、逢いたくてたまらない。
貴女の温もりを抱きたい。
春の訪れは今も昔も変わりがない。
貴女は土に還り、魂は昊に昇ってしまった。
やはり、想い出しては心が涙で行き場がない。
桜の花が散るーーーーー静かな昼日の楼閣。
貴女を妻にと誓った閨で新たに始めるーーーーーーー
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