who do you love 

有栖川 櫂

終わりからはじまり


どうやって仲良くなったかは覚えていない 。

そもそも人間の友人関係は基本的にそうだろう 。


aちゃんはボブヘアで、髪の毛がさらさらで二重じゃないけどめがぱっちりしてて、涙袋も特別おおきい訳じゃないけど、細くて白くてかわいい 。

気づけば憧れていた 。この気持ちが恋なのか愛なのか憧れなのか嫉妬なのか 分からない 。

でもsちゃんがaちゃんに話しかけていると嫉妬する。


s「aちゃん今日もかわいいね」

w「ああaちゃん!今日もかわいいねええ」


気持ち悪い 。


I「かわいいね、aちゃん」


そんなに変わんないか 。


でもみんなかわいいかわいい言っていてもわたしはなかなか言うことが出来ない 。

話すことが苦手ということもあるけれど 。

なんとなく、声が出しずらい


s「iちゃんがaちゃんと結婚したいって」

I「えっ。」

w「わーー式には呼んでね……!!!」

a「     」


aちゃんがなんて言ったのかは覚えていないけれど、

百合が好きなsちゃんとwちゃんはぶっ殺してやろうと思う 。

レズビアンなんて、きっとだめだ 。

ましてやaちゃんなんて純粋な子にわたしなんかだめだ 。


誕生日プレゼントのメッセージカードを見て思った 。

a「大好きだよ」

それはきっと恋でも愛でもない 。

お母さんにはiがあげたらからaちゃんも気を使ってあげたんでしょって言われた 。

I「わたしも今日あげたの、aちゃんの誕生日 日曜日で、平日は学校だったからプレゼントもって行けなくて、土曜日の今日に渡したの」

「じゃあプレゼント交換みたいになったわけだ」

I「そう」

咄嗟に嘘をついた 。

今考えたら、嫌だったのかなあ わたし


給食当番のとき、目が合ったらいつも手を振ったり微笑んだり手でハートを作ってくれるけれど

友人としての愛情なんだろうな 。

わたしはおでこ出したくないから強制的に前髪をしまわなくちゃいけない給食当番のときはいつも下を向いて歩いているし、笑うとほっぺにお肉が集まりすぎて気持ち悪くなるから マスクしてないときは いつも手で口を隠して笑うし、気持ち悪すぎる 。


sちゃんがわたしと腕を組んだ

aちゃんが間に入った


a「iちゃんに触らないで」


期待していいの?

声が出なかったよ

笑うことしか出来なかった


sちゃんとaちゃんはどっちも勉強ができるライバル関係みたいなもので、わたしは勉強もできないからaちゃんと一緒に考えてるフリをして相槌をうって sちゃんと一緒にあのアニメいいよねなんてsちゃんの意見を違う言い方で言っただけで別に深くは知らないし見てもいないし

ちがう、わたしじゃないよ、

sちゃんを殴った


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