僕のコンプレックス
アンダーヒット
第1話 コンプレックス
「はぁ~」
僕は長瀬明、鏡の前でため息を吐く
学校に行きたくない
それは僕の胸であった
僕の胸には大きな膨らみがあり、上半身が女性の様な姿をしている
だけど下半身を見る
そこには男の象徴が有る
上半身が女、下半身が男の姿だった
子供の頃は胸が無く普通の男の子だったけど、中学に入ってから少し胸が膨らみ始めた
僕は不安になり、病院で診断をして見ると、男性ホルモンが少なく、女性化乳房していると言われた
その為、男性ホルモンの薬を投与していたのだが、効果が得られず高校生になった頃に医者からもう戻らないと言われた僕は、今年の春に男性ホルモンの投与を止めた
僕はブラジャーを着けてから男性の学服に着替え、家を出る
玄関の外に出ると同じ学生服の男がいる
そこには幼馴染の佐々木純也がいた
純也は、幼稚園の頃からの付き合いになり、よく虐めにあう僕を助けてくれる
「純也、待っててくれたの?」
僕が言うと純也が挨拶をする
「明、おはよう」
「いつも学校付近から、酷い扱いをされるのを見てられないからな」
ドキッとする僕は直視出来なくなる
【学校前】
しばらく通学すると校門に近づく
「おっ、男の娘が来たぞ」
男子学生が僕の胸を見ながら嫌がらせの言葉を言う
男子の目線がやらしく、気持ち悪い
「変な目で見るのは辞めろ」
純也が止めに入る
すると男子が気不味い感じで離れて行く
「純也、いつもありがとう」
僕がニッコリと笑うと純也が少し目線をそらしたままクラスの部屋に向かう
「??」
純也とは同じクラスなので中に入る
「あっ、おはよう明ちゃん」
今度は女子生徒から声をかけられる
「おはよう」
僕の周りに集まる女子たち
「ねぇ、持ってきた?」
僕は困りながら返答する
「うん・・・ 一応持ってきた」
女子生徒たちが、きゃ~っと喜ぶ
最近は、女子生徒たちと会話が多いい
中学生の時は、体に異変が起きてから男性仲間は徐々に距離を取られて、純也しかいなかった
高校生1年の時は、男女共に僕の見た目に近寄らなかった
でも2年生になってから、徐々に女子生徒から話をしてくる様になり、親しくなると凄く接してくるようになってきた
親しくなり、お店に行こうと誘われて、ちょっとドキドキしながら行くと、ランジェリーショップの買い物だった
入った直後に僕は凄く恥ずかしくなり、出ようとするが女子達に阻止され、僕のブラジャーのサイズを確認しながら選んでいた
「これ良いんじゃない」
女子生徒たちが選んだブラジャーを受け取り、レジで支払いをすると
「凄く似合ってるから、着て来てね」
僕は顔を真っ赤になりながら出る
僕をイジる事が嬉しいのか、ブラジャーを付けて学校に来ると凄く喜んでいた
そして今は、アレを着る事に女子生徒がワクワクしながら話す
「じゃあ、先に行くね」
「先生にも許可をもらったから、少し遅れて来てね
」
これから憂鬱な時間が来る
トボトボと歩きながら着いた
プールである
通路を進むと女子生徒の一人が立っていた
「もう中には誰もいないから入っても大丈夫だからね」
その部屋は女子更衣室
入る抵抗が少しあるが、中に入る
部屋の真ん中にテーブルがあり、僕は手提げ袋をテーブルに置き、袋から水着を取り出し身に付ける
そして部屋の端に鏡があり、僕は自分の姿を見る
水着の服装は、スクール水着のワンピースの形をしており、見た目が可愛い
それを僕が着ている
鏡の自分の姿は、細身の体とワンピースの水着姿は、どこから見ても女に見えた
ほんとに僕は男なのかな?
そんな事を考えてると、ドアがガチャと音がする
「着替え終わった?」
女子生徒が覗く
「やっぱり明ちゃんは可愛いね」
僕の手を掴み、プールの方に向かう
プールには真ん中を分けて、男女が泳いでいる
「先生がね、女子の方で授業に入って良いって言ってたから一緒にしようね」
プールの真ん中付近で、男女共に僕を見る
純也も僕を見ている
純也が僕の姿を見て、下を向く
女子生徒たちはキャーキャー言いながら褒めてくる
自分は周りの視線に恥ずかしくなりながら、男子たちの方を見る
すると胸しか見てなかったのに、今は全体の体を見ている
それが怖かった
不安になりながら女子生徒側の方で授業をする
次の授業が近づき、先生と男女の生徒がプールから出ていく
僕も最後になったので更衣室に行こうとした時、一部の男子生徒が戻ってきた
男子たちは僕の前で立ち止まる
「お前、本当に男なのか?」
「俺たちが確認してやるから脱げよ」
それを聞いた瞬間、僕は逃げようとする
だけど複数の男に腕を捕まれて、身動きが出来ない
次に僕の肩から水着を脱がせようとする為、必死に左右に動く
もがくと、男子が僕の胸を強く握る
!? 強い衝撃が走った
あまりの痛さに僕は叫ぶ
「嫌! ヤメて」
それでも男子たちは辞めなかった
「うっ・・・ うぇ〜〜」
痛さで泣き叫ぶと、僕の口を手で塞ぐ
「黙れよ」
んーーんーー
喋れない
床に仰向けにされて、手足を掴んで完全に動けなくなった状態になり
恐怖に包まれる
「明!」
純也の声が聞こえた
すると次々と男子たちが吹き飛ぶ
上半身を起き上がると、純也が前に立っていた
そこに少し遅れて女子生徒と先生が駆けつけていた
「お前ら! こんな事してどうなるが分かってるのか」
先生が男子達に怒っている
「佐々木、お前は長瀬を保健室に連れて行ってくれ」
保健室に行く事になり、起き上がろうとしたが力が入らない
ガクガク震えてると、純也が僕を持ち上げる
しかもお姫様抱っこの状態で
それが凄く心が落ち着く
僕のコンプレックス アンダーヒット @underhit
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕のコンプレックスの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます