公認自宅警備員を謳歌している俺が異世界召喚してしまった話

@ohusettokanana

第1話 人の話は聞きましょう。

 俺は旭ヶ原 成尾(あさひがはら なるお)。みんながうらやましがるほどの金持ちの家に生まれた。父親が友達と起業して作ったべんちゃーきぎょう?で大成功したらしく、この会社は、俺が二十歳になる今日まで危なげなく軌道に乗っている。

 

この生活が続けられているのもパパのおかげ❤


 その後母と結婚し、三人の子宝に恵まれた。長男は父親の会社を継ぐために色々頑張っているらしい。次男は大学院でなんかの研究をしているらしい。


みんな頑張ってるね(・_・D フムフム


 俺はというと…立派な我が家の自宅警備員という仕事を任せられているのだ!!

というのも…高校を卒業した後就職も進学もせず、家でだらだらしていた俺に、パパは手を差し伸べてくれた。

 自宅警備員として雇ってくれたのだ!!


~お給料交渉中~


パパ「月30万のお小遣いで足りるか?」

ぼく「あともうちょい…」

パパ「32万…」

ぼく「そんなにいらないよ…」

パパ「よし分かったぞ35万でどうだ!!」

ぼく「ありがとうパパ大好き!!僕頑張る!!」

パパ「はっはっは!!まったく…成尾にはかなわないな!!」

ぼく「交渉はお手の物だよ!やっぱりぼくはパパに似たのかな?」

ママ「お小遣い増えるんだから頑張りなさい!!」

ぼく「うん、頑張る」


こうして俺の自宅警備員生活は始まった。

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しかし…この幸せな日々は、そう長くは続かなかった。あの事件が起こるまでは…


 その前日、お盆休みで久しぶりの家族全員で食卓を囲んでいた。


長男「お前いつ働くの?」

俺「もう働いてるよ」

長男「自宅警備員はもういいよ、そろそろちゃんと地に足付けて働いたら?」

俺「貯金してるから大丈夫だよ」

次男「兄さんの話聞けよ!貯金じゃなくて就職の話だよ!」

父親「まあまあいいじゃないか、成尾はこの家をしっかり守ってるんだから」

次男「父さんは金持ちだし、一応しばらくは大丈夫かもだけど…」

母親「せっかく家族全員で集まってるんだからそんなこと言わずにね…お父さん?」

父親「そうそう…」

俺「…(ガルル(次男への威嚇))」


ここまでは良かった。

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 次の日自宅警備員の夏休みということで、父親が仕事に行っている間に近所の公園に行って子供達の相手をしていた。俺は近所でも評判のいい陽気なお兄さんと言われている。数年前女の子を誘拐しようとした不審者を取り押さえたのを機に、俺の評判が広まったらしい。今では自宅警備員と保育士のダブルワーカーだぜ!!これって才能かな?(笑)

 子供達の相手をしていると、どこからともなく現れた怪しげな雰囲気をまとった女の子が現れた。


俺「何してるの?遊びたいの?」

女の子「求人を募集しています」

俺「求人募集がテーマのおままごととは…なかなか渋い趣味してるね~」

女の子「求人を募集しています」

俺「サインすればいいのかな?」

女の子「…」


俺は気兼ねなくサインをした。いや…してしまった。

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 視界が真っ暗になり俺の周りにいた子供たちはいなくなっていた。というより俺だけが別の場所に移動したようだった。辺りを見渡すと明るい場所が見えたので取り敢えず行ってみた。するといかにも神様のような人が居た。


俺「すいません」

神様「おお、また新たな求人か」

俺「求人?」

神様「お前さん契約書を読んだんじゃないのか?」

俺「た、多分…読みました」

神様「わしが新たに世界を作ったのはいいが、その世界には人が居ぬ…そのためにお前さんが元居た世界から求人を募集し、サインをした者をここに呼んでおるのじゃ」

俺「あの帰りたいんですけど、どうやったら帰れますかね?」

神様「まったく…人の話を聞かないやつじゃな、帰ることはできない」

俺「どういうことですか?」

神様「お前さん子供の契約書にサインしたじゃろ」

俺「しましたしました。」

神様「あの契約書にちゃんと書いてあったぞ、この世界に来る旨の内容と(本契約の内容は、両当事者の合意に基づくものであり、一方的に撤回または取り消すことはできません)という注意事項も…」

俺「あぁ…(力の抜ける声)」

神様「どうした?ちゃんと契約書を読まなかったのか?」


(冗談じゃない!!俺は異世界なんかに行きたくない!!毎日起きたい時間に起きて食べたい時に食べて、眠りたい時に眠る今の生活を捨てるなんて!!考えられな

い!!)


俺「お願いです!僕を元居た場所に返してください!」

神様「契約は絶対じゃ、決して覆らない」

俺「そこはなんとか…」

神様「」


目の前が真っ暗になった…

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目が覚めるとそこには漫画やらアニメやらで見たことのある光景が広がっていた。

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