ミスターミステリアスミステリー
宇宙(非公式)
1
『『(防犯カメラによる映像)
「『 S大学ミステリー研究会事件
登場人物紹介
パパ:本名、
先輩:
トーリ:語尾に〜ねを付けるのが口癖。彼女の本名を知るものはいない。ストーリー重視で、叙述トリックを用いたミステリーを描くのが得意。
川田:本名は
オーストリア:畑口・ダイアフィールド・
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深い森があんなに笑顔だったのは、歓迎の意味なのか、それとも嘲笑を意味していたなのか。川田がそんなことを考えているうちに、話題の中心であるその森はもはや見えなくなるほど後方にあった。
「お、あの建物じゃない?」
「そうっぽいね」
大きな白いバンの車窓から、素朴な木造のペンションが見えた。
「いい感じ、雰囲気あるね」
トーリはにわかに顔を明るくした。先刻は乗り物酔いで辛そうにしていたのとは対照的で、今度は酔狂な少女の顔をしている。
「ミステリー研究会たるもの、やっぱり合宿はこうでなくちゃダメっすよ」
川田も興奮しているようだ。
扉を開けると、パパ達がミステリー小説で何度も描写してきた景色があった。
「ええとこやん」
「中も結構、ミステリーっぽいだろう?」
先輩は落ち着いた口調でそう言ってるものの、やはり相当この環境を楽しんでいるようで、鞄を置くやいなや、リビングのソファにダイブした。
「じゃ、みんな揃ったってことで、各々の部屋にいこう!」
パパはそう言って手を叩いた。
(中略)
「良い早朝だね」
トーリが伸びをしつつ言う。
「あ、トーリくん。ようやっと起きはったな」
「コーヒーあるっすよ」
「おお、ありがとね」
立ち上る湯気のせいでトーリのメガネを曇った。人数分の席があるテーブルに、リビングにいる皆がついた。しかし、一席だけ空いている
「あら、先輩が来てない?」
「そうかも」
「妹への生存報告が長引いている、と言う説もあるね」
「ああ、双子のっすか」
先輩はこの研究会の会長なだけあって、時間にはウィンだ。逆に言えば、時間にルーズではない。故に、皆がこの状況をおかしく思っていた。
「ってことで、ドッキリも兼ねて、先輩の部屋に寝起きドッキリと行こう!」
何か、ずっと奇妙な空気ではあった。その嫌な予感が現実に影響すると予想できた者は、一人もいなかっただろう。閉じられた扉の向こうには、床に落ちたナイフのそばで横たわる、冷たくなった先輩がいた。
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