ライティング練習

@kz369ii

　僕は、僕が嫌いだ。だって何もないから。運動が得意な訳じゃない。勉強も人並み。容姿だっていまいちだ。かといって、何か劣りすぎているということでないということが、さらに僕を嫌いにさせる。免罪符も何もなく、ただ単に突出したもののない平凡な僕。つまらないよな。

　今日ニュースは、野球で日本人選手が大活躍という内容だった。野球はあまり知らないし興味もないけれど、そんな僕でも名前くらいは知るようになるくらいには毎日いつでも取り上げられていた。いいよなあ、才能ある奴は。人も金も集まって、不自由なんかとは無縁の生活なんじゃないだろうか。努力するべき方向性も定まっていて、今日はこれをやろうとかすぐに決まるんだろうな。僕は会ったこともない、興味ない分野で活躍している他人に、嫉妬していた。

　だらだらとSNSを見続ける。有益な情報なんてないし、楽しいわけではない。ただの暇つぶしだ。いつものように、投稿された漫画を読み漁っていた。あれ、と思った。その漫画は闘病のエッセイだった。別に興味があって読み始めたのではない。たまたま表示されたから読み始めただけで、同じ病気な訳でもない。ただ、刺激を求めすぎている、という言葉が妙に引っかかった。

　僕が自分を嫌いなのはなんでだっけ。日本人選手に嫉妬したのはなんでだっけ。刺激がほしかっただけなんじゃないか。新しさがないことを悪と決めつけているのは僕自身なんじゃないか。何もないことの良さも、あるのかもしれない。

　日曜日昼下がり、穏やかな風とまどろみに、今日は不思議と心地よさを感じた。