第2節『ジューダス』

「よくやった、ジューダス!!流石は『蛇の智将』だ!!」

「はは、このわずかなスキを作るのにどれだけ苦労したか」


 『マキシマム13』は見事にハメられた。部隊の智将、ジューダス。この男が裏切り者だった。紫のウェーブヘア。細身の体。タイトな蛇皮のパンツ。奇抜を通り越して悪趣味だ。


 だが、これは彼が敵を欺くために歌舞いているのだ。本当の彼は冷静沈着。本当に蛇のように、闇から迫り、絡め取り、丸飲みにする。敵に回したくない危険人物だ。


 故にダーコートは彼を終始、監視下に置いていた。しかし、彼の信頼を得るまで、ジューダスはその本性を隠し続けた。今回、彼と別行動をとれるようになるまで、至極苦労した。


「ジューダス…。アンタが裏切り者か!!」

「そうさ。仲間内でバカ騒ぎするなんて、寒気がしたぜ」

「この…野郎!!ダーキーに恩義は無いのか!?」

「…あん?」


 捕縛されて、駐屯地にて拘束された『マキシマム13』のメンバー。ジューダスはメンバー、イシオスにボディブローを入れる。本来、戦闘員ではないが、実は基礎能力も高い。


「馬鹿、バッカ、ば~か。あんな屑に恩義なんてあるかよ。戦争を終結させるなんて困るんだよ。商売ができねぇじゃねぇか」

「商…売だと?」


 ジューダスは高揚した表情でメンバーを痛めつけながら、


「そうさ。戦争は最大の儲け話だ。武器、作戦、奴隷…何だって商売にできる。例えばお前らの首を刎ねるだけで、一生遊べる金が入る。そして、利用次第では英雄にだってなれるのさ」


 最悪の戦争商人。それがジューダスだ。そこに兵たちが『マキシマム13』最後の一人、ダーコートを捕縛して帰還した。


「遅くなり申し訳ありません。何分、激しく抵抗するもので…」

「流石は『マキシマム13』のリーダー…戦闘能力も半端ではありませんでした…」


 捕らえられ、顔に布袋を被せられたダーコートが放り投げられる。北軍の将校は満面の笑み。忌々しいあの鬼畜をようやく八つ裂きにできる。これで混沌の時代は10年は伸びる。


「そうかそうか!!あの『悪魔の頭脳』ダーコートも、ジューダスの前では無力というわけだ!!」

「………………?」


 ジューダスは違和感を覚える。確かにダーコートは腕は立つ。しかし、捕縛時にはもっと犠牲が出ると想定していた。その割には兵が「多すぎる」のだ。まさか…。


「待て!!その捕虜から離れろ!!」

「はい?」


『カッ!!』


「あああっ!!め…目がぁ!!』

「み…耳も…がああっ!?』

「どこ行った、野郎!?」


 その言葉を待たずして、捕虜のダーコートが爆散する。煙と異音と閃光がおびただしい。感覚が狂うほどで、駐屯地は混乱に陥る。その時、『マキシマム13』の拘束具が破壊される。


「流石!!待ってたよ、ダーキー!!」

 そう発言したのはキャロラインだ。他のメンバーも異常を察知して、被害を回避していた。


「ジューダス…君の演技には感服だ。ならば…更なる策で対抗するだけで事足りる。このくらいは、君なら想定内だろ?」

「ぐ…!!こ…の…いつも上からモノを言いやがって…!!」


 拘束されたダーコートはダミーだった。そのダミーを連行してきた兵の中に変装したダーコートが紛れていた。彼は、混乱に紛れて仲間を助け出した。


「さて…復讐開始といきますか?皆?」

「応ッ!!」

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