第247話 知的
「――ミラ君のぉ~、ヒロイン力がぁ~、高すぎるぅ~」
なんか変な歌(?)を歌うシャルロット。
「――私ヒロインなのにぃ~、ヒロイン力でぇ~、負けてますぅ~」
なんか(中略)アリスだった。おもしれー女たち。
というか、我ながらいい話だなぁと思ったんだが。おもしれー二人によって台無しにされてしまったな。いつものことなんだが。
やれやれと肩をすくめていると、ふくれっ面をしながらアリスがシャルロット、メイス、ミラを順番に指差した。人を指差しちゃいけません。
「といいますか! お三方とアーク様の絆が強い気がします! ズルいです! まぁ私は後付けヒロインですからしょうがないですけど!」
自分で後付けとか言うな。一応原作ゲームのヒロイン兼主人公だろうに。
不満そうなアリスに対し、シャルロットがドヤ顔で胸を張る。
「ふっふーん! ボクたちとアーク君は最初から一緒だからね! いわゆる初期ヒロインというヤツさ!」
自分で初期ヒロインとか言うな。というかそれだとどんどんヒロインが増えて行くみたいだし。
「……ん。実際増えてる」
ミラにジト目を向けられてしまった。うっそ、増えてるの……?
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
なぜか四人から冷たい目で見られてしまう俺だった。
ちなみにそんな俺を見ながらラタトスクは大爆笑していた。ご令嬢がいなければ首を刎ねているんだけどなぁ。
◇
そんなことをやっていると、キングゴブリンたちとシルシュが帰って来た。行く前よりゴブリンの数が増えているので、たぶん女子供だろう。
背が小さいので子供のゴブリンは分かるのだが、女性は……うーん、正直、見分けが付かない気がする。ゴブリンに髪はないし、服装も腰蓑だけだしなぁ。
「……ゴブリンのメスをジッと見つめて……まさか、ゴブリンにまで欲情を?」
とんでもないことをほざくシャルロットだった。そろそろ空手チョップしても許されないか、俺?
「ようキング。どんな感じだった?」
『これは真王様。……はい、おかげさまで誰一人欠けることなく移動することができました。他の魔物に襲われる可能性も考えていたのですが……シルシュ様を付けてくださった真王様のおかげです』
「おー、そうかそうか。よかったな」
俺が付けたんじゃなくて、シルシュが自分で付いていったんだが。キングからすればそう見えるのか。まぁわざわざ細かく訂正してもしょうがないか。
「でだ、そろそろ敵の騎士団がやって来るんだが……」
『はっ、無論我らも加勢いたします』
「いいのか? お前さんたちにとっては関係ない話だぞ?」
それに村への襲撃でゴブリンたちの戦力も目減りしているだろうし。
そんなことは『王』であるキングが一番よく分かっているだろうに、それでも彼は迷わなかった。
『真王様の敵であれば、我らの敵にございます。さらに言えば、我らの命を救っていただき、新天地まで用意していただいたというのに黙って見ているなど許されるはずがありません』
「そ、そうか」
そこまで言われると反対するのもな。それにどうせダンジョンとゴーレムの岩投げで片が付くだろうし。
しっかしまぁ、やはり知的というか、まともだよな。これが『王』たる器か。俺なんかよりキングが『真王』やった方がいいんじゃないか?
そんな提案をしてみたのだが『ははは、いえいえそんな、ははは』と笑ってごまかされてしまった。知的だ。
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