彼は鳥特有の動作で、コクッと頷いた。

「遠慮すんな。可笑しかったら笑えよ」

「……はあ……」

「ん? 笑わんのか?」


(笑えないんだよ!)

 そう言ってやりたかったが、さすがに大人げないので、黙って笑顔で会釈した。


「まあええ。人間、慎みも大事や」

 鷲に人間を語られて、僕はそっちの方が笑いそうになる。

 堪えたつもりだが、わずかに僕の頬が緩んだのを彼は見逃さなかった。

「人が真剣に話しとるのに、何がオモロイねん?」

(「人」? いや、鷲でしょ?)

 さらに思わず笑い声が出そうになって、僕はごまかすために咳払いする。


「おのれ、おかしな男やな」

 鷲はそう言って、短くため息をついてみせた。

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